助成金ノウハウ情報

助成金の財源は? 助成金の予算、新型コロナウイルス関連の予算についても解説

返済の必要がない交付金である助成金ですが、なぜ返済の必要がないのか不安に思う方もいるのではないでしょうか。助成金は雇用保険料という事業主が納めている財源から支払われています。ここでは、助成金の財源である雇用保険制度や、今年度の助成金の予算について分かりやすくご説明します。

助成金の財源は雇用保険

助成金の財源は、事業者と労働者それぞれが加入し、毎月収めている雇用保険です。この雇用保険には、2つの役割があります。1つ目の役割は、失業時給付金の交付です。2つ目の役割は、雇用保険二事業です。
この2つの役割は、具体的にどのような内容なのでしょうか。そして助成金にどう関連しているのでしょうか。

失業保険の給付とは?

雇用保険の1つ目の役割、失業給付金の交付とは、労働者が失業したときに生活に必要な、失業保険を支給することです。また、労働者が再就職に向けて必要な研修費も支給します。
失業保険のおかげで、労働者は突然失業したときにも生活ができ、再就職に向けて活動ができる、まさにセーフティネットといえます。

雇用保険二事業とは?

雇用保険の2つ目の役割、雇用保険二事業はさらに2つの事業に分かれます。1つ目の事業は、労働者が失業しない環境や、働きやすい環境をつくり、働く機会を増やす雇用安定事業です。2つ目の事業は、労働者のスキル開発や向上などを支援する能力開発事業です。

助成金は、この雇用保険二事業を支援するために活用されています。雇用安定事業として支給される主な助成金は、雇用調整助成金やトライアル雇用助成金、両立支援等助成金などが挙げられます。

一方、能力開発事業として支給される助成金は、キャリアアップ助成金や人材開発支援助成金などが挙げられます。

雇用保険二事業の助成金は、事業者が収めた雇用保険料がもとに

雇用保険は、事業者と労働者がそれぞれ収めていますが、負担の割合は違います。失業保険に活用される雇用保険は、労働者負担と事業者負担の割合は半々ですが、雇用保険二事業分に活用される雇用保険は、すべて事業者負担になります。

つまり、助成金の財源は、事業者が収めた雇用保険なのです。そのため、雇用の安定や、能力の開発に取り組む事業者に支給される助成金は、返済する必要がないのです。支給された助成金は、雑収入として計上され、事業者は自由に使うことができます。

事業者が助成金を支給されたということは、雇用に貢献し、働きやすい環境を整え、労働者のスキルを開発する取り組みが認められたということです。もともとは、すべて事業主負担の雇用保険が財源なのですから、積極的に活用してはいかがでしょうか。

2020年度の助成金は補正予算だけでも1兆9,835億円(2019年度の予算は約6451億円)

2020年度は新型コロナウイルスによる生活支援のため、非常に大きな予算が組まれています。雇用調整助成金の拡充に7,717億円、休業支援金に5.442億円などそれぞれ昨年度の予算に匹敵する規模となっています。財源としては労働保険特別会計から1兆4,4446億円が充てられています。ちなみに、2019年度の予算は雇用保険制度全体の予算は約2兆7000億円です。このうち、助成金に充てられる雇用保険二事業の予算は、約6451億円でした。

助成金の予算は1月から3月に国会で承認される

助成金の予算が作成されるのは、6月から7月です。厚生労働省の職業安定局で見積もりに当たる概算要求に向けた準備が始まり、8月下旬に財務省へ概算要求書を提出します。
財務省で概算要求書が通れば、9月から12月にかけて、職業安定局はさらに詳細な予算案を作成します。この予算案を財務省が取りまとめ、国会に提出し、翌年の1月から3月に国会の承認を経て閣議決定されます。

助成金の受付は、成立した予算にもとづいて、翌年4月の新年度からスタートします。助成金の予算、約6451億円は2018年度から厚労省が予算組に取り組んできた結果です。

助成金の予算が尽きる可能性はある?

働き方改革推進支援助成金のように、予算が尽きた場合、締め切りが早まる可能性があると記載している助成金があります。予算が尽きることがあるのか厚労省に確認したところ、過去に早まった例はないとのことでした。
ただし、都道府県の自治体によっては、申請受付を早期に締め切る場合があります。助成金の申請を検討している事業主は、申請の締め切りよりも前倒しで、申請書類を整えましょう。

まとめ

助成金の財源は、事業者が収めている雇用保険です。2019年度の助成金の予算はしっかり確保されいてるので、有効に活用できるように、申請に向けて取り組みを始めてみてはいかがでしょうか。

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