助成金のプロである社会保険労務士に、助成金の申請代行を依頼することで、主に5つのメリットが受けられます。その一方で、考えられる3つのデメリットも存在します。今回は社労士に助成金の申請代行を依頼するメリットとデメリットをそれぞれ紹介します。
目次
社労士が助成金の代理申請に最適なワケ
社会保険労務士は、報酬を得て、助成金の代理申請を行う資格を持っています。人事労務管理のプロでもあることから、雇用関連の助成金にも精通しています。
社労士に助成金の代理申請を依頼する5つのメリット
社会保険労務士に助成金の代理申請を依頼するメリットを紹介します。なお、助成金の審査は、各都道府県の労働局などが行うため、社労士が代理申請したからといって確実に受給できるわけではありません。
助成金の申請に必要な業務をすべて任せて、本業に専念できる
助成金を受給するためには、主に次の業務が必要になります。
- 活用する助成金の選定
- 助成金の受給条件の確認
- 助成金の審査に必要な書類の作成、提出
- 助成金の受給申請に必要な書類の作成、提出
助成金によっては、労働者のスキルアップ、労働環境の改善を目的としたものがあります。こうした助成金は、研修や訓練、設備導入の計画書を作成する業務が加わります。
これらの業務を事業主や社員が行おうとすると、それだけに時間を取られてしまう可能性があります。分からないことがあれば、助成金の申請先である労働局などに足を運んだり、電話で問い合わせたりして、確認する業務も発生します。
また、助成金の申請に必要な就業規則を作成してなかったり、雇用契約を締結していなかった企業の場合は、このタイミングで制度を整える必要があります。社労士に助成金の申請代行を依頼することで、申請の業務にかかる時間を節約することができ、制度も整えることが可能になります。
助成金の申請から受給までのスケジュール管理を任せて、受給漏れを防げる
助成金には申請期限があります。また、受給条件をクリアした後の受給申請にも期限があります。助成金によっては、受給条件をクリアするための取り組みが、計画通りに進んでいるか進捗の確認も必要です。こうしたスケジュール管理を任せられるのも、社会保険労務士に申請代行を依頼するメリットです。
書類のチェックで、助成金が不支給になる可能性を低くできる
助成金の申請には、必ず労働者名簿、賃金台帳、出勤簿のいわゆる法廷三帳簿の提出が必要です。また、助成金によっては、就業規則の提出が求められる場合もあります。社会保険労務士に代理申請を依頼していれば、申請前に各書類が労働基準法に則っているかチェックしてもらうことができます。
また、助成金を申請する書類に記載する内容についても、申請先の労働局やハローワークの指針を理解し、適切な解釈で記載できるため、助成金の審査ではじかれる可能性が低くなります。
複数の助成金の受給が可能になる
助成金には、受給条件をクリアすれば複数の助成金を受給できる、併給と呼ばれる仕組みがあります。助成金に精通した社会保険労務士に代理申請を依頼することで、併給できる助成金に合わせた取り組みが可能になり、より多額の助成を得ることができます。
「複数の助成金を受給できる併給とは? 同時に受給できない併給調整も解説」を詳しく見る
助成金の最新の情報をキャッチできる
年度が変わるタイミングで、助成金によっては改正されたり、廃止になる場合がもあり、厚生労働省のWebサイトに新しい助成金の情報がアップされることがあります。また、年度に関係なく、追加の情報がアップされることもあります。
本業で忙しい事業主や社員が、助成金の最新情報をキャッチアップすることは難しいのではないでしょうか。社会保険労務士に助成金の代理申請を依頼すれば、助成金の最新情報を常に把握することもできます。
社労士に助成金の代理申請を依頼する3つのデメリット
社会保険労務士に、助成金の申請代行を依頼するメリットは計り知れません。一方でデメリットも存在します。
報酬を支払う必要がある
社会保険労務士に助成金の代理申請を依頼するデメリットの1つは、報酬の支払いが発生することです。社労士への支払いの金額を抑えるために、契約を毎月の顧問契約ではなく、助成金の代理申請にしたとしても、報酬を支払うことになります。
助成金の代理申請の場合は、着手金のほか、成功報酬も併せて設定されているケースが多いので、依頼する前に確認しましょう。着手金不要の場合は、成功報酬が相場よりも高く設定されている場合もあるため、相見積もりを取って比べてみましょう。
「社労士の報酬はいくらかかる? 適正な報酬の見分け方や相談方法、助成金申請代行の相場を紹介」を詳しく見る
社内に助成金の申請ノウハウがたまらない
社会保険労務士に助成金の代理申請を依頼するデメリットのもう1つは、社内にノウハウが蓄積されないことです。社労士に一連の業務を任せることになるので、いざ事業主や社員が独力で助成金の申請をしようとしても、助成金の受給に必要な条件から調べるところからスタートすることになります。
社内の制度を整えるために委託費用が増える
助成金の申請には、労働者名簿、賃金台帳、出勤簿のいわゆる法廷三帳簿のほか、助成金によっては就業規則の提出が求められます。申請のために、こうした書類の整備や、制度を整えるための業務を社会保険労務士に依頼することで、委託費用が増加します。
まとめ
助成金の中には、受給条件が分かりやすく、申請に必要な書類も多くないものがあります。そうした助成金は事業主や社員が申請し、受給のハードルが高いものは社会保険労務士に依頼するという方法も、検討してはいかがでしょうか。
助成金の申請をご自身でとお考えの行う場合は、会社にとって最適な助成金を簡単に見つけることができ、助成金の書類作成もスムーズに行える助成金クラウドをご利用いただくことで労力削減や申請書の不備を削減することができます。この機会にぜひをご活用ください。
社労士事務所の紹介ネット上で簡単に
申請書作成・承認依頼