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人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)は人事評価の整備で最大80万円支給(令和3年度より制度整備助成が廃止)

人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)は、生産性を向上させるために、人事評価制度と賃金制度を整備し、実施した場合に最大で130万円が支給される助成金です。多くの会社で活用されているキャリアアップ助成金の受給条件や申請手順に加え、助成金を多く受給する方法も紹介します。

目次

人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)は、21度支給が受けられる

人材不足を解消するために、事業主は雇用管理の改善などを行うことで、「魅力ある職場」を提供し、労働者の定着率を高めることが重要です。人材確保等支援助成金は、離職率を下げる取り組みを行う事業主を支援する助成金です。

中でも、人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)は、人事評価制度と賃金制度を整備することで支給される制度整備助成(令和3年度廃止)、目標を達成することでさらに支給される目標達成助成と、2度(令和3年度廃止)の支給が受けられることが特徴です。

制度整備助成は、認定を受けた人事評価制度の整備・実施で50万円が支給される(令和3年度廃止)

人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)の制度整備助成の受給条件は、次の4項目を達成することです。

  • 雇用保険の適用事業主であること
  • 認定された人事評価制度等整備計画に基づき、人事評価制度等を整備・実施を新たに行い、人事 評価制度等対象労働者 の「毎月決まって支払われる賃金」について、以下の要件を満たすこと。【原則的なケースの場合】
    • 新制度等の「実施日の属する月の前月」と「実施日の属する月」の「毎月決まって支払われる賃金」の対象労働者の合計額を比較したときに、2%以上増加しており、かつ、2%以上増加した「毎月決まって支払われる賃金」の対象労働者の合計額が、「実施日の属する月」の1年後の同月においても引き下げられない見込みであること
    • 新制度等の「実施日の属する月の前月」における24歳から59歳までの各年齢の「毎月決まって支払われる賃金」のモデル賃金額に当該年齢の在籍者の数を乗じて求めた合計額に比べて、「実施日の属する月」における各年齢のモデル賃金額に当該年齢の在籍者の数を乗じて求めた合計額が2%以上増加しており、かつ、2%以上増加した合計額が、「実施日の属する月」の1年後の同月においてもの引き下げられない見込みであること(各年齢のモデル賃金額が2%増加していることが望ましい)

    【例外的なケースの場合 】

    • 新制度等の適用対象となる労働者が、新制度等における人事評価において最も一般的な評定を受けた場合に、新制度等の 「実施日と取り扱う日の属する月の前月」と「実施日と取り扱う日の属する月」の「毎月決まって支払われる賃金」の対象労働者の合計額を比較したときに、2%以上増加しており、かつ、概ね2%以上増加した「毎月決まって支払われる賃金」の対象労働者の合計額が、「実施日の属する月」の1年後の同月においても引き下げられない見込みであること
    • 新制度等の「実施日と取り扱う日の属する月の前月」における24歳から59歳までの各年齢ごとの「毎月決まって支払われる賃金」のモデル賃金額に当該年齢の在籍者の数を乗じて求めた合計額に比べて、「実施日と取り扱う日の属する月」における各年齢のモデル賃金額に当該年齢の在籍者の数を乗じて求めた合計額 が概ね2%以上増加 しており、かつ、概ね2%以上増加した合計額が、「実施日の属する月」の1年後同月においてもの引き下げられない見込みであること(各年齢のモデル賃金額が2%増加していることが望ましい)
  • 過去に次の助成金を受給している場合、次の条件を満たすこと
    • 人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)の制度整備助成、目標達成助成および人事評価改善等助成金の制度整備助成、目標達成助成を受給している場合、再度人事評価制度等整備計画を提出する場合は、最後の支給決定日の翌日から起算して3年間が経過している事業主であること
    • 人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)の目標達成助成、職場定着支援助成金(雇用管理制度助成コース)の制度導入助成において、評価・処遇制度の雇用管理制度区分を含む内容で受給している場合(2017年3月31日までに職場定着支援助成金の計画認定申請をしていた場合を除く)、人事評価制度等整備計画を提出する場合は、最後の支給決定日の翌日から起算して3年間が経過している事業主であること
    • 人材確保等支援助成金(介護・保育労働者雇用管理制度助成コース)の制度整備助成、職場定着支援助成金(保育労働者雇用管理制度助成コース・ 介護労働者 雇用 管理制度助成コース)の制度整備助成を受給している場合2017年3月31日までに職場定着支援助成金の計画認定申請をしていた場合を除く)、人事評価制度等整備計画を提出する場合は、最後の支給決定日の翌日から起算して3年間が経過している事業主であること
  • 社会保険の適用事業所であること(社会保険の要件を満たす場合)。また、対象事業所に雇用される労働者が社会保険の被保険者であること(社会保険の要件を満たす者に限る)

制度整備助成の受給条件をクリアすることで、50万円が支給されます。

目標達成助成は、6つの条件を満たすことで80万円が支給される

人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)の目標達成助成の受給条件は、次の6項目を達成することです。

  • 人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)の制度整備助成の支給を受けていること
  • 引き続き、整備した人事評価制度等を実施していること【原則的なケースの場合】
    • 新制度等の「実施日の属する月の前月」と「実施日の属する月」の1年後の同月」の「毎月決まって支払われる賃金」の対象労働者の合計額を比較したときに、2%以上増加していることを確認すること
    • 新制度等の「実施日の属する月の前月」における24歳から59歳までの各年齢の「毎月決まって支払われる賃金」のモデル賃金額に当該年齢の在籍者の数を乗じて求めた合計額に比べて、「実施日の属する月」の1年後の同月」の「毎月決まって支払われる賃金」における各年齢のモデル賃金額に当該年齢の在籍者の数を乗じて求めた合計額が2%以上増加していることを確認すること

    【例外的なケースの場合】

    • 新制度等の「実施日と取り扱う日の属する月の前月」と「「実施日の属する月」の1年後の同月」の「毎月決まって支払われる賃金」の対象労働者の合計額を比較したときに、2%以上増加していることを確認すること
    • 新制度等の「実施日と取り扱う日の属する月の前月」における24歳から59歳までの各年齢の「毎月決まって支払われる賃金」のモデル賃金額に当該年齢の在籍者の数を乗じて求めた合計額に比べて、「実施日の属する月」の1年後の同月」の「毎月決まって支払われる賃金」における各年齢のモデル賃金額に当該年齢の在籍者の数を乗じて求めた合計額が2%以上増加していることを確認すること
  • 2%以上増加した毎月決まって支払われる賃金を引き下げていないこと
    【原則的なケースの場合】

    • 新制度等の「実施日の属する月」と「人事評価制度等整備計画の認定申請日の3年後の日の直前の賃金支払日の属する月」の「毎月決まって支払われる賃金」の対象労働者の合計額を比較したときに、引き下げられていないか確認すること
    • 新制度等の「実施日の属する月」における24歳から59歳までの各年齢の「毎月決まって支払われる賃金」のモデル賃金額に当該年齢の在籍者の数を乗じて求めた合計額に比べて、「人事評価制度等整備計画の認定申請日の3年後の日の直前の賃金支払日の属する月」における各年齢のモデル賃金額に当該年齢の在籍者の数を乗じて求めた合計額が引き下げられていないこと

    【例外的なケースの場合】

    • 新制度等の「実施日と取り扱う日の属する月」と「人事評価制度等整備計画の認定申請日の3年後の日の直前の賃金支払日の属する月」の「毎月決まって支払われる賃金」の対象労働者の合計額を比較したときに、引き下げられていないか確認すること
    • 新制度等の「実施日と取り扱う日の属する月」における24歳から59歳までの各年齢の「毎月決まって支払われる賃金」のモデル賃金額に当該年齢の在籍者の数を乗じて求めた合計額に比べて、「人事評価制度等整備計画の認定申請日の3年後の日の直前の賃金支払日の属する月」における各年齢のモデル賃金額に当該年齢の在籍者の数を乗じて求めた合計額が引き下げられていないこと
  • 「生産性要件要件」を達成すること」を達成すること
  • 離職率の低下目標を達成すること
  • 社会保険の適用事業所であること(社会保険の要件を満たす場合)社会保険の適用事業所であること(社会保険の要件を満たす場合)。また、対象事業所に雇用される労働者が社会保険の被保険者であること

目標達成助成の受給条件をクリアすることで、80万円が支給されます。

目標達成助成の受給条件のひとつ、生産性要件とは

生産性要件とは、生産性を高める取り組みを支援するために、生産性を向上させた会社へ支給する助成金の金額を割増する制度です。人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)の目標達成助成の受給条件には、この生産性要件をクリアすることが含まれています。なお、生産性要件をクリアするには、次のいずれかを満たす必要があります。

  • 助成金の支給申請を行う直近の会計年度における生産性が、その3年度前に比べて6%以上伸びていること
  • 助成金の支給申請を行う直近の会計年度における生産性が、その3年度前に比べて1%以上(6%未満)伸びていること

「助成金が増える生産性要件とは? 利用の条件や受給額が増える助成金を紹介」を詳しく見る

人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)の対象になる条件は、労働者と事業主それぞれにある

人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)の対象となるには、労働者と事業主それぞれの条件を満たす必要があります。

支給対象になる労働者の条件は3項目

人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)の支給対象となる労働者は、次の条件のすべてを満たす必要があります。

  • 期間の定めなく雇用されている者、または一定の期間を定め雇用され、その雇用期間が反復継続され、事実上期間の定めなく雇用されている場合と同等と見なせる者
  • 事業主に直接雇用される者であること。
  • 雇用保険の被保険者(「短期雇用特例被保険者」及び「日雇労働被保険者」を除く。「高年齢被保険者」は含む)であること

支給対象になる事業主の条件も3項目

人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)の支給対象となる事業主は、次の3つの条件を満たさなければなりません。なお、人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)は、かつて人事評価改善等助成金と呼ばれ、2018年4月1日に人材確保等支援助成金へ統合された助成金です。前身である人事評価改善等助成金を申請していた場合、最後の支給決定日の翌日から起算して3年間が経過していないと、申請できないので注意しましょう。

  • 社会保険の要件を満たす場合社会保険適用事務所であり、要件を満たす労働者が社会保険の被保険者であること
  • 新規創業や、計画時離職率算定期間の1年間に雇用保険被保険者が存在しないなどの事情により、計画時離職率が算定できない事業所でないこと
  • 以下の助成金を受給している場合、最後の支給決定日の翌日から起算して3年間が経過している事業主であること
    • 人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)
    • 人事評価改善等助成金(制度整備助成及び目標達成助成)
    • 人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース目標達成助成)において評価・処遇制度の雇用管理制度区分を含む内容で受給している場合
    • 職場定着支援助成金(雇用管理制度助成コース制度導入助成)において評価・処遇制度の雇用管理制度区分を含む内容で受給している場合
    • 人材確保等支援助成金(介護・保育労働者雇用管理制度助成コース制度整備助成)
    • 職場定着支援助成金(保育労働者雇用管理制度助成コース制度整備助成
    • 職場定着支援助成金(介護労働者雇用管理制度助成コース制度整備助成)

人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)の申請手順と注意する期限とは

人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)は、取り組みを始める前にやるべきことのほか、提出する届出や支給申請の締め切りなど、期限に注意しなければならないことがあります。

人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)を受給するまでの最大7つのステップ

人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)に取り組み、支給されるまでの流れは、最大で次の7つのステップです。

人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)の流れ

人事評価制度等整備計画の提出は、人事評価制度等を整備する月の初日からさかのぼって、6カ月前から1カ月前の日の前日まで

人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)の申請で注意すべきポイントは、人事評価制度などの整備を行う前に、人事評価制度等整備計画を作成し、労働局へ提出して認定を受ける必要があることです。提出の期限は、人事評価制度等を整備する月の初日からさかのぼって、6カ月前から1カ月前の日の前日までです。

なお、複数の計画を並行して提出することはできません。そのため、制度整備助成や(令和3年度廃止)目標達成助成の支給決定または不支給決定を受けるまでは、新たな人事評価制度等整備計画を提出することはできません。

制度整備助成、(令和3年度廃止)目標達成助成ともに申請期限は2カ月以内

制度整備助成の支給を申請するタイミングは、2%以上の賃金がアップするものとして整備した人事評価制度等に基づく賃金が最初に支払われた日の翌日から起算して2カ月以内です。また、(令和3年度廃止)目標達成助成の支給を申請するタイミングは、人事評価制度等整備計画の認定申請の3年後の日の翌日から起算して2カ月以内です。

人事評価制度の認定に必要な書類とは

人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)の受給条件である人事評価制度を整備、実施する前に、人事評価制度等整備計画を作成し、労働局の認定を受ける必要があります。この認定に必要な書類と、書類の中でも特に重要な人事評価制度等整備計画書について解説します。

人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)の計画認定に必要な書類は9種類

人事評価制度等整備計画の認定を受けるために必要な書類は、昨年の9種類から11種類に増えました。

  • 人事評価制度等整備計画(変更)書
  • 整備する人事評価制度等の概要票
  • 毎月決まって支払われる賃金額について、人事評価制度等の実施日の属する月の前月とその1年後の同月を比較したときに2%以上増加する見込みであることが確認できる書類「賃金アップ計算書」。または、人事評価制度等整備計画の認定申請日の直近の賃金支払日における賃金が確認できる書類「賃金台帳等」
  • 整備を予定している人事評価制度等について、労働組合または労働者の過半数を代表する者と合意していることが確認できる書類
  • 事業所確認票
  • 現行の労働協約または就業規則、および整備後の労働協約案または就業規則案(賃金規程、賃金表を含む)
  • 対象事業所における計画時離職率の算出に係る期間の雇用保険一般被保険者離職状況がわかる書類
    例)離職証明書、雇用保険被保険者資格喪失確認通知書(事業主通知用)など
  • 人事評価制度等対象労働者の要件を満たすことが分かる書類(雇用契約書、労働条件通知書等)
  • 人事評価制度等の「改定」として人事評価制度等整備計画を提出することが可能であることが分かる書類(人事評価規程、人事評価書等 )(「改定」の場合に限る)
  • 社会保険の適用事業所であることが分かる文書(社会保険の要件を満たす場合)及び対象事業所に雇用される労働者が社会保険の被保険者であることが確認できる文書(社会保険の要件を満たす者に限る)
  • その他管轄労働局長が必要と認める書類

人事評価制度等整備計画書を作成するポイントは、人事評価の基準と方法

人事評価制度等整備計画の認定を受けるために必要な9種類の書類の中で、特に重要なのは人事評価制度等整備計画書です。これは、人事評価制度(人事評価制度と賃金アップを含む賃金制度)などの整備に関する計画を記載する書類です。助成金の対象となる制度は、次の10項目を満たす必要があります。

  • 労働者の生産性の向上に資する人事評価制度および賃金制度として、労働組合又は労働者の過半数を代表する者と合意していること
  • 人事評価の対象と基準・方法が明確であり、労働者に開示していること。能力・技能・資格・行動・コンピテンシー・努力・姿勢・情意、成果・業績など、労働者個人の意思によって向上させることが可能な項目を対象とするものであり、年齢または勤続年数のみで評価が一義的に決定されるものでないことが必要
  • 評価が年1回以上行われるものであること
  • 人事評価制度に基づく評定と、賃金の額またはその変動の幅・割合との関係が明確であること
  • 賃金表を定めているものであること
  • 上記4および 5を労働者に開示しているものであること
  • 人事評価制度等の「実施日の属する月の前月」と「実施日の属する月」を比較したときに、「毎月決まって支払われる賃金」の額が2%以上増加する見込みであり、かつ、2%以上増加する見込みの賃金額が「実施日の属する月」の1年後の同月においても引き下げられない見込みであること
  • 上記7について、労働組合または労働者の過半数を代表する者と合意していること
  • 新しく整備した人事評価制度等により対象となる労働者を実際に評価した日から人事評価制度等の実施日が2カ月以内であること
  • 労働者の賃金(「毎月決まって支払われる賃金」以外の手当を含む)の額の引き下げを行うなど、助成金の趣旨・目的に反する人事評価制度などでないこと。例えば、降格・賃金の引き下げなどが可能な人事評価制度などについては、支給対象とならないこと

人事評価制度は新設または改定された制度であること

助成金の支給対象となる人事評価制度は、新設もしくは改定された制度であることも条件です。制度の新設の場合は、下記の条件を満たす必要があります。その条件は以下の通りです。

下記6項目のすべてを規定していない状態であること

  • 労働者の生産性の向上に資する人事評価制度および賃金制度として、労働組合又は労働者の過半数を代表する者と合意していること
  • 人事評価の対象と基準・方法が明確であり、労働者に開示していること。能力・技能・資格・行動・コンピテンシー・努力・姿勢・情意、成果・業績など、労働者個人の意思によって向上させることが可能な項目を対象とするものであり、年齢または勤続年数のみで評価が一義的に決定されるものでないことが必要
  • 評価が年1回以上行われるものであること
  • 人事評価制度に基づく評定と、賃金の額またはその変動の幅・割合との関係が明確であること
  • 賃金表を定めているものであること
  • 上記4および 5を労働者に開示しているものであること

下記8項目を満たす人事評価制度などを新たに規定すること

  • 労働者の生産性の向上に資する人事評価制度および賃金制度として、労働組合又は労働者の過半数を代表する者と合意していること
  • 人事評価の対象と基準・方法が明確であり、労働者に開示していること。能力・技能・資格・行動・コンピテンシー・努力・姿勢・情意、成果・業績など、労働者個人の意思によって向上させることが可能な項目を対象とするものであり、年齢または勤続年数のみで評価が一義的に決定されるものでないことが必要
  • 評価が年1回以上行われるものであること
  • 人事評価制度に基づく評定と、賃金の額またはその変動の幅・割合との関係が明確であること
  • 賃金表を定めているものであること
  • 上記4および 5を労働者に開示しているものであること
  • 人事評価制度等の「実施日の属する月の前月」と「実施日の属する月」を比較したときに、「毎月決まって支払われる賃金」の額が2%以上増加する見込みであり、かつ、2%以上増加する見込みの賃金額が「実施日の属する月」の1年後の同月においても引き下げられない見込みであること
  • 上記7について、労働組合または労働者の過半数を代表する者と合意していること

制度の改定の場合は、下記のいずれかの条件を満たす必要があります。その条件は以下の通りです。

評価の対象と基準および評定と賃金の関係について規定していない状態から、下記8項目すべての項目を満たす状態に改めて規定すること

    • 労働者の生産性の向上に資する人事評価制度および賃金制度として、労働組合又は労働者の過半数を代表する者と合意していること
    • 人事評価の対象と基準・方法が明確であり、労働者に開示していること。能力・技能・資格・行動・コンピテンシー・努力・姿勢・情意、成果・業績など、労働者個人の意思によって向上させることが可能な項目を対象とするものであり、年齢または勤続年数のみで評価が一義的に決定されるものでないことが必要
    • 評価が年1回以上行われるものであること
    • 人事評価制度に基づく評定と、賃金の額またはその変動の幅・割合との関係が明確であること
    • 賃金表を定めているものであること
    • 上記4および 5を労働者に開示しているものであること
    • 事評価制度等の「実施日の属する月の前月」と「実施日の属する月」を比較したときに、「毎月決まって支払われる賃金」の額が2%以上増加する見込みであり、かつ、2%以上増加する見込みの賃金額が「実施日の属する月」の1年後の同月においても引き下げられない見込みであること
    • 上記7について、労働組合または労働者の過半数を代表する者と合意していること

なお、下記2項目についても、見たいしてないと支給対象にはならない

  • 新しく整備した人事評価制度等により対象となる労働者を実際に評価した日から人事評価制度等の実施日が2カ月以内であること
  • 労働者の賃金(「毎月決まって支払われる賃金」以外の手当を含む)の額の引き下げを行うなど、助成金の趣旨・目的に反する人事評価制度などでないこと。例えば、降格・賃金の引き下げなどが可能な人事評価制度などについては、支給対象とならないこと

 

既に下記の6項目の全てを規定しているが、評価の対象と基準、評定と賃金の関係及び賃金規定について、さらなる生産性の向上に資するものとなるよう、更に改めて規定すること。なお、既に一定の期間、実際に運用している状態で、評価の対象と基準、評定と賃金の関係及び賃金規定についてさらなる生産性向上に資するものとなるよう、更に改めて規定する必要がある

  • 労働者の生産性の向上に資する人事評価制度および賃金制度として、労働組合又は労働者の過半数を代表する者と合意していること
  • 人事評価の対象と基準・方法が明確であり、労働者に開示していること。能力・技能・資格・行動・コンピテンシー・努力・姿勢・情意、成果・業績など、労働者個人の意思によって向上させることが可能な項目を対象とするものであり、年齢または勤続年数のみで評価が一義的に決定されるものでないことが必要
  • 評価が年1回以上行われるものであること
  • 人事評価制度に基づく評定と、賃金の額またはその変動の幅・割合との関係が明確であること
  • 賃金表を定めているものであること
  • 上記4および 5を労働者に開示しているものであること

人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)の支給申請に必要な書類は、助成の種類で異なる

人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)は、条件をクリアすることで2回の支給を受けられます。制度整備助成と、目標達成助成の2回です。それぞれの申請で必要になる書類を紹介します。

制度整備助成の支給申請に必要な書類は11種類(令和3年度廃止)

制度整備助成の支給申請に必要な書類は、昨年の9種類から11種類に増えました。また、労働局が必要と認める書類を提出しなければならない場合もあります。

  • 人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース/制度整備助成)支給申請書
  • 事業所確認票
  • 整備した人事評価制度等の内容が確認できる書類(以下のいずれかの書類)
    • 制度を明示した労働協約(賃金規程、賃金表を含む)
    • 制度を明示した就業規則(賃金規程、賃金表を含む)
  • 整備した人事評価制度等の概要票
  • 賃金アップ計算書
  • 対象労働者の労働条件通知書または雇用契約書
  • 【原則的なケース 】新たに整備した人事評価制度等を実施したこと及びその内容、制度の実施日が確認できる以下の書類
    • 事業所内での周知書類、人事評価を行ったことが確認できる書類、昇進・昇格に関する通知等
    • 人事評価制度等の適用者名簿
    • 対象労働者の賃金台帳等賃金の支払い状況が確認できる書類
    • 対象労働者の出勤簿等出勤状況が確認できる書類
  • 【例外的なケース 】整備した人事評価制度等を適切に実施する見込みであること、整備した人事評価制度等の内容及び人事評価制度等の「実施日と取り扱う日」が確認できる以下の書類
    • 事業所内での周知書類、昇進・昇格に係る通知等
    • 人事評価制度等の適用者名簿(様式第6号別紙2)
    • 対象労働者の賃金台帳等の賃金の支払状況が確認できる書類。該当月における「毎月決まって支払われる賃金」がわかるもの(賃金台帳など)。人事評価制度等の「実施日と取り扱う日の属する月の前月」および「実施日と取り扱う日の属する月」分
  • 支給要件確認申立書
  • 事業所が社会保険の適用事業所であることが分かる書類(社会保険料納入証明書、社会保険料納入確認書など)及び当該事業所の労働者が社会保険の被保険者であることが分かる書類(賃金台帳など、社会保険の支払いが分かる書類。社会保険の要件を満たす場合に限る)
  • その他管轄労働局長が必要と認める書類

目標達成助成の支給申請に必要な書類は11種類

目標達成助成の支給申請に必要な書類は、昨年の10種類から11種類に増えました。制度整備助成と同様に、労働局が必要と認める書類を提出しなければならない場合もあります。

  • 人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース/目標達成助成)支給申請書
  • 事業所確認票
  • 対象事業所における評価時離職率算定期間の雇用保険一般被保険者の離職状況が確認できる書類
  • 対象労働者の賃金台帳等賃金の支払い状況が確認できる書類人事評価制度等の実施日の前月からその1年後の同月及び人事評価制度等整備計画の認定申請日の3年後の日の属する月の前月の賃金分
  • 整備した人事評価制度等が引き続き実施されているか確認できるいずれかの書類
  • 対象労働者の出勤簿等出勤状況が確認できる書類
  • 生産性要件を満たしているか確認するための書類及び算定の根拠となる証拠書類
  • 賃金アップ計算書
  • 支給要件確認申立書
  • 事業所が社会保険の適用事業所であることが分かる書類(社会保険料納入証明書、社会保険料納入確認書など)および当該事業所の労働者が社会保険の被保険者であることが分かる書類(賃金台帳など、社会保険の支払いが分かる書類。社会保険の要件を満たす場合に限る)
  • その他管轄労働局長が必要と認める書類

人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)の申請で知っておきたい2つのポイント

人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)では、申請する際に、知っておきたい2つのポイントがあります。

人事評価期間は、半年から1年で、会社の実情に合わせた設定を

人事評価期間に定めはありませんが、半年や1年といった期間を想定しているものです。また、すべての対象労働者に人事評価を実施し、人事評価結果を人事評価実施後2カ月以内に給与へ反映させる必要があります。

さらに、不用意に短い人事評価期間を設定することは、一部の労働者のみに有利な人事評価制度となるなど、労働者のモチベーション向上や事業所の生産性向上を妨げる可能性があります。人事評価期間を設定する際には、会社の実情や人事評価の内容等に応じて無理のない人事評価期間を設定しましょう。

人事評価の結果、2%以上賃金アップしていない労働者がいても助成金が支給される場合がある

就業規則等に整備した人事評価制度等を適切に実施した結果、2%以上賃金アップしていない労働者がいる場合であっても支給対象となる可能性があります。ただし、各労働者の賃金額の総額が2%以上アップしていない場合には、支給対象外となります。

キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)と併せて受給できる

キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)は、有期雇用の労働者などの基本給の賃金規定等を増額改定し、昇給した場合に支給される助成金です。受給条件は、人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)と同じなので、併せて受給することができる併給が可能になります。キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)の受給も、検討してはいかがでしょうか。

「キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)は賃金アップで受給可能に。3つの増額方法を紹介」を詳しく見る

まとめ

人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)は、適切な人事評価を行い、給与に反映させることで、労働者のモチベーションを上げる効果が期待できます。さらに、生産性の向上も見込める人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)を活用しない手はありません。

申請する際は、多くの書類が必要になります。書類に記載する項目を分かりやすく説明するガイダンス機能を搭載し、スムーズかつミスのない書類作成を可能にする、助成金クラウドをご活用ください。

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