助成金ノウハウ情報

時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)は労働時間削減や有給取得の取り組みの経費を最大100万円助成(コロナウイルスの特例付記)

時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)は、労働時間削減や有給取得推進の取り組みであれば、研修やコンサル、機材の導入など幅広く助成されます。職場意識改善コースの申請方法や支給金額、さらに併せて申請できる助成金について紹介します。

既に受付を終了している本助成金ですが、令和2年3月3日、新型コロナウイルス感染症の影響により、特例が発表されています。
期間は令和2年2月17日から令和2年5月31日までが対象で、交付決定を行う前でも特例として助成の対象となります。
支給額は、上限50万円で補助率は3/4~4/5です。3/9より申請受付が開始されています。

詳しくは厚労省の報道発表資料を参照ください。

なお、令和2年度から「働き方改革推進支援助成金」と名称変更が予定されていますが、4月7日現在確定しておりません。

 

時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)は、労働時間の削減や有給取得の推進で支給される助成金

政府が策定した第4次男女共同参画基本計画では、ワーク・ライフ・バランスを実現するため、「2020年までに、有給休暇の取得率を70%にする」という目標を掲げています。この目標を実現するために、働き方改革の1つとして労働基準法を改正しました。これにより、大企業は2019年4月から、中小企業は2020年4月から、次の8項目の実現に向けて、取り組みを実施しなければなりません。

  • 残業時間の罰則付き上限規制
    残業時間を原則月45時間かつ年360時間以内、繁忙期であっても月100時間未満、年720時間以内にすること
  • 5日間の有給休暇取得の義務化
    年10日以上の有給休暇が発生している労働者に対して、事業主は5日の有給休暇させること
  • 勤務間インターバル制度の努力義務
    勤務後から次の勤務までは、少なくとも10時間、心身を休める時間を設けること
  • 割増賃金率の中小企業猶予措置廃止
    中小企業も、月の残業時間が60時間を超えた場合、割増賃金の割増率を50%以上にすること
  • 産業医の機能を強化
    従業員の健康管理に必要な情報の提供し、事業主は客観的な方法で、労働時間を把握すること
  • 同一労働・同一賃金の原則の適用
    同一労働・同一賃金の原則を踏まえ、正規・非正規の不合理な格差をなくす取り組みを実施すること
  • 高度プロフェッショナル制度の創設
    年収が1075万円以上で、一定の専門知識を持った職種の労働者を対象に、本人の同意等を条件として労働時間規制や割増賃金支払の対象外とすること
  • 3カ月のフレックスタイム制が可能
    これらの項目に取り組む事業主を支援するため、厚生労働省は時間外労働等改善助成金を用意しています。この助成金の中でも、職場意識改善コースは、残業時間の削減や有給取得の取り組みに対して支給されます。

時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)の支給対象の条件は、中小企業で、取り組み、経費、成果目的の3つをクリアすること

時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)は、有給休暇の取得促進や、所定外労働の削減につながる取り組みにかかった経費の一部を支給するものです。支給額は、成果目標の達成状況によって変わります。

支給対象となる事業主の条件は7項目

時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)の支給対象となる事業主の条件は、次の7項目を満たすことです。

  • 労働者災害補償保険の適用事業主であること
  • 資本金の額又は出資の総額が3億円(小売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については5000万円、卸売業を主たる事業とする事業主については1億円)以下である事業主か、その常時使用する労働者の数が300人(小売業を主たる事業とする事業主については50人、卸売業かサービス業を主たる事業とする事業主については100人)以下である事業主であること
  • 交付決定日より前の時点で、全ての事業場の就業規則(労働者10人未満で、就業規則を作成していない場合は労働条件通知書)に病気休暇、教育訓練休暇、ボランティア休暇のいずれかの特別休暇が明文化されていない事業主であること
  • 前年における、労働者の月間平均所定外労働時間数が10時間以上である事業主であること
  • 事業場の所在地を管轄する都道府県労働局長に時間外労働等改善助成金交付申請書か時間外労働等改善助成金事業実施計画を提出し、交付決定を受けた事業主であること
  • 事業実施計画に基づき、事業を実施した事業主であること。なお、特別休暇が新たに導入されなかった事業場がある場合や月間平均所定外労働時間数の削減がされなかった場合を除く
  • 5や6に基づく措置及び事業の実施の状況、成果を明らかにする書類を整備している事業主であること

支給対象となる経費は8項目

時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)で支給対象となる経費は、次の8項目です。このうち1つ以上実施する必要があります。

  • 労務管理担当者に対する研修
  • 労働者に対する研修、周知・啓発
  • 外部専門家によるコンサルティング
  • 就業規則・労使協定等の作成・変更
  • 人材確保に向けた取組
  • 労務管理用ソフトウェア、労務管理用機器、デジタル式運行記録計の導入・更新
  • テレワーク用通信機器の導入・更新
  • 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新

研修には、業務研修も支給対象に含まれます。原則として、パソコン、タブレット、スマートフォンは支給対象には含まれません。

支給条件は、2つの成果目標のいずれかを達成すること

時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)の支給条件は、助成金で定められた成果目標を達成することです。その成果目標は次の2つです。なお、成果目標の達成状況の評価は、事業主が事業実施計画で指定した3カ月間の取り組みが対象となります。

  • 年次有給休暇の取得促進
    病気休暇、教育訓練休暇、ボランティア休暇のいずれか1つ以上を全ての事業場に新たに導入すること
  • 所定外労働の削減
    労働者の月間平均所定外労働時間数を5時間以上削減させること

なお、1の年次有給休暇の取得促進については、事業実施期間中に、就業規則の作成・変更を行い、必要な手続を経て実施し、労働基準監督署に届出する必要があります。

時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)の支給額は、年次有給休暇の取得促進と、所定外労働の削減で決まる

時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)の支給額は、成果目標の達成状況に応じて変わります。基本的に、助成額は対象経費の合計額に補助率を掛けることで決まります。この補助率は、成果目標である年次有給休暇の取得促進と、所定外労働の削減が達成できたかどうかで変わります。

両方達成できた場合の補助率は4分の3、年次有給休暇の取得促進は達成できたが、所定外労働の削減が達成できたかった場合は、2分の1になります。対象経費の合計額に補助率を掛けた結果、上限額を超えた場合は、その上限額が助成額になります。

上限額は、年次有給休暇の取得促進と、所定外労働の削減の両方達成できた場合は100万円、年次有給休暇の取得促進は達成できたが、所定外労働の削減が達成できたかった場合は50万円です。
なお、補助率は、常時使用する労働者数が30名以下で、支給対象の取り組みが次の3項目だった場合で、所要額が30万円を超える場合の補助率は5分の4になります。

  • 労務管理用ソフトウェア、労務管理用機器、デジタル式運行記録計の導入・更新
  • テレワーク用通信機器の導入・更新
  • 労働能率の増進に資する設備・機器などの導入・更新
支給額
成果目標の達成状況 補助率 1企業当たりの上限額
両方とも達成 3/4 1,000,000円
年次有給休暇の取得促進が達成し所定外労働の削減が未達成 1/2 500,000円

 

時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)の申請手順と注意する期限とは

時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)は、取り組みを始める前にやるべきことのほか、提出する届出や支給申請の締め切りなど、期限に注意しなければならないことがあります。

受給するまでの4つのステップ

時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)の申請手順は、次の4つのステップです。

時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)の流れ

交付が決定する前に取り組みを実施した場合、助成金が支給されないので、交付決定通知書が届くまで待ちましょう。

交付申請書の提出御締め切りは、2019年9月30日(火)

時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)の交付申請書の提出御締め切りは、2019年9月30日(火)と既に終了しています。来年度の申請を検討している方は、すぐに申請の準備にかかれるように、定期的に情報を収集しておきましょう。

支給申請の締め切りは、2020年2月17日(月)

時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)の支給申請の締め切りは、2020年2月17日(月)とこちらも決められています。1日でも遅れると支給されないので、早めに支給申請の準備を進めておきましょう。

時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)に取り組む前に、提出が必要な書類は4種類

時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)は、年次有給休暇の取得促進や、所定外労働の削減の取り組みを始める前に、次の4種類の書類を事前に提出する必要があります。

  • 事業実施計画
  • 交付決定日より前の時点で、全ての事業場の就業規則(労働者10人未満で、就業規則を作成していない場合は労働条件通知書)に病気休暇、教育訓練休暇、ボランティア休暇のいずれかが明文化されていない事業主であること、前年における労働者の月間平均所定外労働時間数が10時間以上である事業主であることを確認するための書類(就業規則、賃金台帳、成果目標の達成状況に関する集計表)
  • 事業を実施するために必要な経費の算出根拠を確認するための書類(見積書など)
  • その他、労働局長が必要と認める書類

時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)の支給申請に必要な書類は9種類

時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)の支給申請には、次の9種類の書類が必要になります。

  • 支給申請書
  • 時間外労働等改善助成金事業実施結果報告書
  • 労働時間等設定改善委員会の設置等労使の話し合いの機会の整備の実施に関する証拠書類
    (参加者名簿と議事録、話し合いを行った際の写真)
  • 労働時間等に関する個々の苦情、意見及び要望を受け付けるための担当者の選任の実施に関する証拠書類
    (周知文書。事業場に掲示した場合は、掲示した状況の写真)
  • 労働者に対する事業実施計画の周知の実施に関する証拠書類
    (周知文書。事業場に掲示した場合は、掲示した状況の写真。なお、周知文書には実施体制の整備のための措置、支給対象の事業、成果目標の設定について盛り込むこと)
  • 支給対象の事業の実施に関する証拠書類
    (各事業を実施したことが客観的に分かる資料。労務管理担当者に対する研修、労働者に対する研修、周知・啓発、外部専門家によるコンサルティングの事業を実施した場合は、実施日時、実施場所、実施者、被実施者、実施内容が明らかとなる書類、被実施者全員のアンケート結果、実施した際の写真を提出すること。また、外部専門家によるコンサルティングの事業を実施した場合は、改善措置の実施内容が明らかとなる書類を提出すること)
  • 支給対象の事業の実施に要した費用の支出に関する証拠書類
    (領収書、費用の振込記録が客観的に分かる預金通帳など)
  • 成果目標の達成状況に関する証拠書類
    (変更後の時間外・休日労働に関する協定届。休日加算の成果目標を設定した場合は作成・変更後の就業規則)
  • その他、労働局長が必要と認める書類

時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)と併給できる助成金、できない助成金がある

時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)の支給を受けた中小企業が、新たに労働者を雇い入れたり、人材配置の変更、労働者の負担軽減など、雇用管理改善の取り組みに関連する雇用管理改善計画(1年間)を作成し、都道府県労働局の認定を受けることで、人材確保等支援助成金(働き方改革支援コース)を受給することができます。また、時間外労働等改善助成金(団体推進コース)は、取り組みの内容が異なれば、併給することができます。

一方で、時間外労働等改善助成金(時間外労働上限設定コース)を受給すると、併給調整によって、申請しても受給でき奈緒助成金があります。同一年度に、時間外労働等改善助成金の勤務間インターバル導入コースや職場意識改善コース、テレワークコースとの併給はできません。

まとめ

時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)は、ワーク・ライフ・バランスへの取り組みや、労働時間の改善にかかわる経費なら、機材の導入からコンサルティング、研修まで幅広い用途に適用できる助成金です。併給申請できる助成金もあるので、併せて申請をご検討ください。申請の際には、書類がスムーズに作成できる助成金クラウドをぜひご利用ください。

 

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