助成金ノウハウ情報

助成金を受給する5つのメリットと3つのデメリット

助成金は返済不要で、用途も自由に選ぶことができるお金です。助成金を申請することで得られるメリットは大きいのですが、雇用保険の加入など、申請のための取り組みが負担となり、デメリットになる会社もあります。助成金を申請する前に押さえておきたい、メリットとデメリットを詳しく紹介します。

 

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助成金の5つのメリット

雇用に関係する助成金は種類が多く、働き方のスタイルの変化に合わせて、バリエーションの幅が広がっています。助成金を受給するために、初めて申請を行う方にとって、助成金の種類や、受給の条件を把握することは難しいことですが、申請するだけのメリットが充分にあります。それでは、助成金にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

メリット1
返済不要で、雑収入としての収益が得られる

助成金は、受給の要件をクリアした上で計画を達成し支給を申請すれば、必ず支給されます。助成金の使い道は決められていないので、事業の運転資金として活用できるだけでなく、業務効率を改善するツールの導入や、人材の雇用などにも活用できます。

金融機関からの融資とは異なり、助成金は返済不要です。そのため、助成金は、会計帳簿上では本業とは関係のない収入、雑収入として計上されます。

「助成金の会計処理の方法は? 計上時期や勘定科目から税対策まで解説」を詳しく見る

メリット2
雇用保険の加入や勤怠の管理で、会社の制度を整えられる

助成金の受給要件をクリアするためには、雇用保険の加入はもちろん、賃金台帳といった給与の書類、出勤簿・タイムカードなどの勤怠の書類を作成し、管理しなければなりません。

また、助成金によっては就業規則の作成や変更が必要な場合もあります。このように、助成金の受給に向けて取り組むことで、会社の制度を整えることができます。

「助成金の受給要件とは? すべての事業主がクリアすべき3つの条件」を詳しく見る

メリット3
従業員満足度の向上につながる

会社の制度が整うことで、労働環境の改善につながります。例えば、雇用促進や制度改善によって受給されるキャリアアップ助成金は、次の要件をクリアすることで受給資格を得ることができます。

  • 未払いの残業代がない
  • 36協定を超える残業がない
  • 出勤簿・タイムカードで就業時間が管理されている
  • 解雇や退職勧奨など会社都合の退職がない

このように、キャリアップ助成金を受給できる会社になることで、労働基準法に則って、適正な労働環境が整えられ、従業員満足度の向上にもつながります。なお、助成金によっては、解雇や退職奨励などを行っている会社は、いくら制度を整えて受給要件をクリアしても、不支給の対象になる場合があります。

メリット4
優秀な人材確保につながる

さらに、研修制度やメンター制度を整えることで、新入社員でもスキルや知識を身に着けられる環境が整います。教育制度が充実している会社と認知されることで、優秀な人材を採用できる可能性が高まります。

メリット5
社会的な信用が得られる

助成金は、厚生労働省が定めた受給要件をクリアした会社に支給されるものです。、助成金を受給できた会社は、国の審査に合格した会社であり、雇用や育成に貢献している会社として、社会的な信用を得ることができます。

なお、助成金を受給できる要件をクリアするために、解雇を自己都合の退職として処理するなど、偽った内容で受給した場合は、不正受給となります。不正受給と認定されると、会社名が公表され、社会的な信用を失うことになります。故意でなくても、不正受給と認定されるので、必ず要件をクリアしているか確認しましょう。

「助成金の不正受給が発覚する理由とは? 4つのペナルティも紹介」を詳しく見る

助成金の3つのデメリット

助成金はメリットばかりのように見えますが、デメリットも存在します。助成金の主なデメリットを3つ紹介します。

デメリット1
助成金の申請に手間がかかる

助成金を受給するまでには様々な書類を作成し、申請する必要があります。そのうえで、労働局やハローワークなどの審査、確認を受け、質問に応えなければなりません。このように、助成金の申請から受給までには、多くの手間がかかります。

初めて助成金を申請する会社であれば、条件をクリアしていなかったり、申請の書類に不備がある可能性があります。もし申請が通らなければ、それまで行っていた作業が無駄になってしまいます。

「助成金の計画の審査のために必要な申請書類とは? 提出期限も併せて紹介」を詳しく見る

デメリット2
助成金を受給する取り組みで、会社の負担が増える

会社によっては、助成金を受給する条件をクリアするために、事業計画を無視して正社員採用を行ったり、研修制度を整えたりすることで、業務や費用の負担が発生する場合があります。

また、新たに就業規則を整えたり、すでにある就業規則を変更すると、もとに戻すことが難しいため、会社の実情に合わなかった場合、社内にひずみが生じます。

デメリット3
助成金の申請から受給まで時間がかかる

助成金は審査が通れば、すぐに受給できるわけではありません。キャリアアップ助成金の場合、支給申請から支給決定まで、正社員化コースであれば半年、人材育成コースであれば1年近くかかり、近年その期間がさらに延びる傾向にあります。

その理由は、不正受給がないように、厳格に審査を行っているからです。このように、助成金は後払いのため、支給されるまで、取り組みにかかるコストは自社でまかなわなければなりません。

まとめ

助成金には、メリットがあると同時に、デメリットも存在します。受給の要件をクリアするための取り組みが、無理のない範囲で行えるのかどうか確認したうえで、助成金の申請を検討してはいかがでしょうか。

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