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障害者の採用や雇用に活用できるおすすめの助成金【2019年最新版】

障害者雇用促進法により、従業員を45.5人以上雇用する事業主は、障害者の雇用が義務付けられました。障害者が働きやすい職場環境をつくるには、制度や設備を整える必要があります。今回は、障害者の採用や雇用に活用できる助成金を紹介します。

目次

障害者雇用促進法により雇用義務がある

障害者雇用促進法は、障害者の職業の安定を図ることを目的にした法律です。障害者雇用促進法では、民間企業の障害者雇用率は全従業員の2.2%と定めています。これは、45.5人以上雇用する事業主が、障害者雇用の義務を負うことになるこということです。

障害者の雇用義務を負う事業主は、毎年1回身体障害者や知的障害者、精神障害者の雇用に関する状況を公共職業安定所長に報告する必要があり、一定の基準を下回った場合は、障害者の雇入れに関する計画書を作成しなければなりません。また、行政の指導があったにもかかわらず、障害者雇用に取り組まなかった場合は、厚生労働大臣が企業名を公表します。

障害者雇用促進法の改正により雇用の配慮が義務化

2016年には、改正障害者雇用促進法が施行され、雇用する障害者の差別の禁止や、配慮の義務が規定されました。具体的な内容は次の3項目です。

  • 雇用の分野での障害者差別の禁止
    障害者を理由として採用の対象から排除したり、障害者に不利な条件をつけることを禁止する
  • 雇用の分野での合理的配慮の提供義務
    事業主に対して過重な負担を及ぼさない限りにおいて、面接を筆談で行ったり、募集内容について音声などで提供するなど、合理的な配慮を提供することを義務付ける
  • 相談体制の整備、苦情処理、紛争解決の援助
    障害者からの相談に対応する体制の整備を義務付ける。苦情を自主的に解決することは努力義務とする

これらの障害者の差別の禁止や配慮は、雇用する従業員数にかかわらず、すべての事業者が義務付けられます。

障害の種類8種類と配慮すべきこととは

障害の種類は、見た目でわかるものから、内臓や精神の病気で見た目には分からないものまで幅広くあります。障害者雇用促進法における、障害別の特徴と雇用の際の配慮事項は、次の通りです。

  • 視覚障害者
    視覚障害といっても、視力、視野、色覚の違いなど様々に見え方が違います。移動が容易になるよう整理整頓を心がけ、コミュニケーションにおいては具体的な音声による伝達によって指示を出す配慮が必要です。
  • 聴覚・言語障害者
    コミュニケーションの面で困難を伴う特徴があります。メールや筆談用ボードの利用、手話や要約筆記のできる人を配置するなど援助体制の整備が必要です。
  • 肢体不自由者
    運動機能障害をもつため、義肢や車いすなどの補装具を使用している場合があります。職場内の移動が容易になるよう配慮、スロープやトイレなど設備の整備が必要です。
  • 内部障害者
    体の内部に障害を持っている状態で、外見では分からないため周りの人に理解されにくい場合があります。職務内容・勤務条件が体に過重なものにならないよう必要な場合医療機関との連携も必要です。
  • 知的障害者
    複雑な作業内容や抽象的な表現を理解したり言葉による意思表示が困難であったりします。作業工程の単純化や、分かりやすい言葉遣いや表現の配慮が必要です。
  • 精神障害者
    病気を抱えながら終了する難しさはあるものの、本人が自らの病気の症状や特性を理解することで軽減が可能です。職務内容の配慮、心身の状態の把握、医療機関や社会復帰施設との連携により支援体制を確保することで能力が十分に発揮できるようになります。
  • 高次脳機能障害
    交通事故や東部の毛が、脳卒中などで脳に損傷を受け言語や記憶などの機能に障害が起きた状態です。作業スピードの低下や脳の疲労のしやすさに配慮が必要です。
  • 難病
    原因が解明されておらず治療方法も未確立な疾患を難病といいます。主治医や本人から情報を聞き、配慮内容を検討する必要があります。

障害者の採用に活用できるおすすめの助成金

障害者の採用や雇用に活用できる助成金は、様々な種類があります。まずは、障害者の採用に活用できる助成金から紹介します。

障害者や高年齢者、母子家庭の母親などの雇用で受給できる
特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース )

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース )は、障害者や高年齢者、母子家庭の母などの就職困難者をハローワークや民間の職業紹介事業者などの紹介により継続して雇用する労働者として雇入れた場合、支給される助成金です。

支給額は、対象となる労働者がどのような方か、また労働時間が短時間か否か、中小企業か否かによって変わります。労働時間が週20時間以上30時間未満の場合は短時間労働者となり、支給額が下がります。短時間労働者でなく、重度の障害者であり、中小企業である場合、半年に1回20万円ずつ、2年で合計80万円が支給されます。

障害者手帳を持たない発達障害や難病の方を雇用することで受給できる
特定求職者雇用開発助成金(発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)

特定求職者雇用開発助成金(発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)は、障害者手帳を持たない、65歳未満の発達障害や難病のある方を雇い入れる事業主に支給される助成金です。支給額は短時間労働者か否か、中小企業か否かによって変わります。

1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の場合短時間労働者とみなされ、支給額が低くなります。短時間労働者でなく、中小企業である場合、半年に1回20万円ずつ、2年で合計80万円が支給されます。

はじめて障害者を雇用することで受給できる
特定求職者雇用開発助成金(障害者初回雇用コース )

特定求職者雇用開発助成金(障害者初回雇用コース )は、障害者雇用の経験のない中小企業が、障害者を初めて雇用し、法定雇用率を達成した場合に支給される助成金です。障害者の雇用が義務となる労働者が45.5人から300人までの中小企業が対象で、過去3年間に対象労働者の雇用を行っていないことが受給要件となります。支給金額は一律で120万円です。

ミスマッチを防ぐトライアル雇用で受給できる
トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース)

トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース)は、就職が困難な障害者を一定期間雇用することで、適性や業務を滞りなく行えるのかを見極め、求職者と求人者のミスマッチをなくし、常用雇用への移行や、労働時間を20時間以上にすることを目指す助成金です。

受給要件の1つに、ハローワークや民間の職業紹介事業者の紹介によって、障害者を雇用することが含まれています。雇用する障害者が精神障碍者の場合、支給期間は最長6カ月です。支給期間の内訳と支給額は、対象の労働者1人につき月額最大8万円を3カ月、月額最大4万円を3カ月となります。

障害者が働きやすい職場づくりに活用できるおすすめの助成金

障害者を採用できたとしても、障害の度合いに合わせて、配慮が必要な場合があります。雇用を維持するために、働きやすい職場を整えることで支給される、助成金を紹介します。

柔軟な働き方を工夫することで受給できる
障害者雇用安定助成金(障害者職場定着支援コース)

障害者雇用安定助成金(障害者職場定着支援コース)は、障害特性に応じた雇用管理制度や雇用形態の見直しによって、柔軟な働き方の工夫などを行う事業主に支給されます。障害者雇用安定助成金(障害者職場定着支援コース)を活用し、働きやすい環境を整えることで、障害者の労働意欲が高まり、能力が十分に発揮され、長期的に雇用することが可能となります。

支給額は中小企業か否かによって変わります。中小企業の場合、支給対象の労働者1人当たり、半年ごとに4万円が支給されます。支給期間は1年間なので、支給額の合計は8万円になります。

通勤を容易にする取り組みで受給できる
重度障害者等通勤対策助成金

重度障害者等通勤対策助成金は、障害特性に応じて通勤を容易にするための取り組みを行う事業主に支給される助成金です。

通勤対策となる措置内容ごとに8種類に分かれており、障害者の入居させるための住宅の貸借助成金、住宅への指導員の配置助成金、住宅手当の支払い助成金、通勤用バスの購入助成金、通勤用バス運転従事者の委嘱助成金、通勤援助者の委嘱助成金、駐車場の賃借助成金、通期尿自動車の購入助成金の8種類があります。

支給金額は対象費用の一部か上限金額のどちらかで、最大金額ではバス購入助成金で上限700万円が助成されます。

障害特性に応じた雇用管理を行うことで受給できる
障害者介助等助成金

障害者介助等助成金は、障害特性に応じた適切な雇用管理のため、必要な介助者の配置など特別な措置を行う事業主に支給される助成金です。

措置の内容により4種類に分かれており、職場介助者の配置または委嘱助成金、触媒介助者の配置または委嘱の継続措置に係る助成金、手話通訳・要約筆記等担当者の委嘱助成金、障害者相談窓口担当者の配置助成金の4種類です。

支給金額は対象経費の4分の3が支給されます。ただし、職場介助者を廃止する場合は月額15万円、移植する場合は1回あたり1万円が上限となります。

在宅勤務やサテライトオフィス勤務の制度を整えることで受給できる
時間外労働等改善助成金(テレワークコース)

時間外労働等改善助成金(テレワークコース)は、テレワークを導入したり、継続して活用する事業主に支給されます。障害者の雇用にかかわらず、全般に使え、導入費用や研修、コンサルティング、機材の導入など幅広い経費が助成されます。

支給金額は成果目標が達成できたか否かで変わり、成果目標が達成できた場合、経費の4分の3、テレワークを行う従業員1人当たり20万円が支給されます。企業への支給額の上限は150万円です。

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障害者が働きやすい施設の整備に活用できるおすすめの助成金

障害者が働き続けるためには、事業主や労働者の配慮だけではなく、働きやすい施設を整える必要もあります。働きやすい施設の設置や設備に活用できる助成金を紹介します。

障害特性による就労上の課題を克服する施設の設置や整備で受給できる
障害者作業施設設置等助成金

障害者作業施設設置等助成金は雇用の促進や継続を目的に、障害特性による就労上の課題を克服する作業施設などの設置・整備を行う事業主に支給されます。作業施設を講じ、購入する場合は第1種、貸借する場合は第2種となり、要件が変わります。支給額はそれぞれ対象経費の3分の2で、対象障害者1人につき13万円の上限があります。

障害者の福祉施設の設置や整備で受給できる
障害者福祉施設設置等助成金

障害者福祉施設設置等助成金は、障害者の雇用促進や継続を目的に、福祉施設の設置・整備を行う事業主に支給される助成金です。

先ほど紹介した障害者作業施設設置等助成金は作業を容易に行うことが目的であるのに対し、障害者福祉施設設置等助成金は福祉増進が目的のため、休憩室や食堂、図書室などが支給の対象になります。助成率は対象経費の3分の1で、対象障害者1人につき225万円、事業主1年度あたり2250万円の上限金額が定められています。

10人以上の障害者を継続雇用する事業主が設備の設置や整備で受給できる
重度障害者等多数雇用事業所施設設置等助成金

重度障害者等多数雇用事業所施設設置等助成金は、重度身体障害者や知的障害者、精神障害者を10人以上継続して雇用し、安定した雇用を継続できると認められる事業主が、障害者のための事業施設などの設置や整備を助成する助成金です。作業施設や管理施設、福祉施設や設備が対象となります。支給額は経費の3分の2で、5000万円が上限となります。

まとめ

障害者の採用を促進し、雇用を維持する目的で助成金は支給されます。そのため、特定求職者雇用開発助成金(発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)は、支給対象の障害者が途中で離職した場合や、所定労働時間より著しく実労働時間が短い場合には、支給額が減額されます。

また、障害者が労働者が支給対象期の初日から1カ月以内に離職した場合は、支給されません。雇用義務をクリアできないだけでなく、労力や費用も無駄にならないように、支援団体と連携し、障害者の採用や雇用に取り組んではいかがでしょうか。

障害者の採用の支援はハローワークや、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構などで、就労後の支援は地域の障害者職業センターや障害者就業・生活支援センターなどが行っています。こうした支援団体を活用して、助成金を活用しましょう。助成金を申請する際には、申請書類の記入項目を分かりやすく説明し、スムーズに作成することができる助成金クラウドをぜひご利用ください。

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