助成金ノウハウ情報

宿泊業で活用できる助成金【2019年最新版】労働環境の改善で離職率を低減

宿泊業の人手不足は今に始まったことではありません。働き方改革を進めないことには、新たな人材を採用し、離職率を下げることは難しい状況です。宿泊業の事業主が、労働環境の改善によって離職率を下げる取り組みに活用できる助成金に加えて、採用や雇用にも活用できる助成金を併せて紹介します。

目次

宿泊業の離職率は、全業種で最も高い

厚生労働省がまとめた雇用動向調査結果の概況によると、宿泊業・飲食サービス業の離職率は30.0%と、調査対象となった業種の中で最も高い業種でした。また、厚生労働省の新規大学卒業就職者の産業別離職状況では、入社3年以内で離職する労働者の割合は49.7%と、2人に1人が離職していることが明らかになりました。

宿泊業では、離職率の高さを問題として認識しながら、目をそらしているのが現状です。採用の場では、宿泊業のやりがいを訴求する内容が目立ちますが、季節の飾りつけやイベントの企画など、個人の裁量で活躍できる職場をアピールする前に、働きやすい職場づくりに取り組んでいることをアピールすることが差別化につながり、離職率の改善にもつながります。

改善すべきポイント1 休日の確保

宿泊業において、働きやすい職場にするための取り組みの1つは、休日の確保です。厚生労働省がまとめた就労条件総合調査によると、宿泊業・飲食サービス業の年間休日総数は97.1日と、調査対象の業種の中で最も短いことが分かりました。休日を前提としたシフトや、有給休暇を取得しやすい職場環境づくりが求められています。

改善すべきポイント2 労働時間の削減

宿泊業では、所定労働時間の削減も働きやすい環境づくりに欠かすことができない取り組みです。厚生労働省がまとめた就労条件総合調査では、宿泊業・飲食サービス業の所定労働時間は39時間56分と、調査対象の業種に中で最も長いという結果になりました。労働時間を把握する仕組みを導入した上で、繁閑の予測に応じたシフト設定などに取り組む必要があります。

宿泊業で休日の確保や労働時間の削減に活用できるおすすめの助成金

宿泊業で休日の確保や労働時間の削減に取り組むことで、受給できる助成金があります。ここでは宿泊業におすすめする3つの助成金を紹介します。

有給休暇の取得推進や時間外労働の削減で受給できる助成金
時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)

時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)は、労働時間の削減や有給取得の促進の取り組みを支援する助成金です。この助成金は、生産性の向上など、環境整備に取り組む中小企業事業主に、厚生労働省が支給します。

助成金の金額は、最大100万円です。なお、助成金の金額は、目標設定した年次有給休暇の取得や所定外労働の削減を、達成できたかどうかで異なります。

「時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)は労働時間削減や有給取得の取り組みの経費を最大100万円助成」を詳しく見る

労働時間の削減で受給できる助成金
時間外労働等改善助成金(時間外労働上限設定コース)

時間外労働等改善助成金(時間外労働上限設定コース)は、残業時間の短縮など長時間労働の見直しのため、働く時間の縮減に取り組む中小企業事業主に、厚生労働省が支給します。

助成金の金額は、最大200万円です。なお、助成金の金額は、目標設定した時間外労働の時間や休日の日数、助成金の対象にな経費の額によって異なります。この助成金の受給ができると、人材確保等支援助成金(働き方改革支援コース)を上乗せとして申請することができます。

「時間外労働等改善助成金(時間外労働上限設定コース)は労働環境の改善と採用のアピールにもつながる助成金」を詳しく見る

休息時間の確保で受給できる助成金
時間外労働等改善助成金(勤務間インターバール導入コース)

時間外労働等改善助成金(勤務間インターバール導入コース)は、健康保持や過重労働防止の取り組みを支援する助成金です。この助成金は、勤務終了後、次の勤務までに一定時間以上の休息時間を設け、働く方の生活時間や睡眠時間を確保する事業主に、厚生労働省が支給します。

助成金の金額は、最大100万円です。なお、助成金の金額は、休息時間数や新規の取り組みかどうかで異なります。この助成金も受給ができると、人材確保等支援助成金(働き方改革支援コース)を上乗せとして申請することができます。

「時間外労働等改善助成金(勤務間インターバール導入コース)は、休息時間の確保で支給される助成金」を詳しく見る

宿泊業で離職率を下げる取り組みに活用できるおすすめの助成金

離職率を下げるために、研修制度や健康づくり制度を導入したり、人事評価制度を導入する宿泊業の事業主を支援するおすすめの助成金があります。

離職率を下げる取り組みで受給できる助成金
人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)

人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)は、離職率を下げる取り組みを支援する助成金です。この助成金は、雇用管理制度整備計画を作成し、制度を導入、実施したことで、離職率の低下目標を達成した事業主に、厚生労働省が支給します。助成金の金額は、57万円です。

「人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)は5つの制度から取り組みを選べる」を詳しく見る

人事評価制度の整備で受給できる助成金
人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)

人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)は、離職率を低下させるために、人事評価制度の整備を支援する助成金です。この助成金は、定期昇給以外の賃金制度を設けて、生産性の向上、賃金アップ、離職率の低下に取り組む事業主に、厚生労働省が支給します。助成金の金額は、人事評価制度を定めた場合に50万円、離職率の低下目標を達成した場合に80万円が支給されます。

「人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)は人事評価の整備で最大130万円支給」を詳しく見る

働き方改革に取り組む中小企業が受給できる助成金
人材確保等支援助成金(働き方改革支援コース)

2019年に新設された人材確保等支援助成金(働き方改革支援コース)は、働き方改革に取り組む上で、人材を確保することが必要な中小企業を支援する助成金です。この助成金は、時間外労働等改善助成金(時間外労働上限設定コース、勤務間インターバル導入コース、職場意識改善コース)の支給を受けた中小企業が受給できます。

助成金は計画を達成したときと、目標を達成したときの2回受給することができ、助成金の金額は最大で75万円です。

人手不足を解消する雇用や採用に活用できるおすすめの助成金

有期雇用の労働者を正規雇用に転換したり、お試し雇用で適性を判断したりと、雇用の促進で人手不足を解消する、宿泊業の事業主をサポートするおすすめの助成金もあります。

非正規雇用から正規雇用への切り替えで受給できる助成金
キャリアアップ助成金(正社員化コース)

キャリアアップ助成金(正社員化コース)は、正規雇用の促進を支援する助成金です。この助成金は、就業規則または労働協約などの制度を整え、正規雇用労働者を増やした事業主に支給されます。助成金の金額は、中小企業か中小企業以外かで異なります。また、有期雇用労働者を正規雇用した場合と無期雇用した場合、無期雇用労働者を正規雇用した場合によって異なり、最大で20人分、1440万円を受給することができます。

キャリアアップ助成金(正社員化コース)を受給できた事業者の中で、東京労働局の管内に事業所を置く中小企業であれば、さらに東京都正規雇用等転換安定化支援助成金の受給を上乗せとして申請することができます。

「キャリアアップ助成金(正社員化コース)の受給額は最大1440万円!受給要件や申請手順を紹介」を詳しく見る

正規雇用への切り替えで東京都から受給できる助成金
東京都正規雇用等転換安定化支援助成金

東京都正規雇用等転換安定化支援助成金は、パートや契約社員、派遣労働者といった非正規から正規雇用に転換した労働者が安心して働き続けられるよう、労働環境を整備する事業者を支援する助成金です。この助成金は、キャリアアップ助成金(正社員化コース)を支給され、東京労働局の管内に事業所を置く中小企業に、東京都が支給します。

助成金の金額は、キャリアアップ助成金(正社員コース)の支給対象となった人数によって、支給額は増えます。支給額は対象となる労働者1人につき、20万円です。

「東京都正規雇用等転換安定化支援助成金の支給対象は500事業所まで」を詳しく見る

一定期間のお試し雇用で受給できる助成金
トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)は、職業経験が無かったり、技能、知識などに課題があり、安定して働くことが困難な方の採用を支援する助成金です。この助成金は、ハローワークや職業紹介事業者などの紹介により、現在定職に就いてなかったり安定して働くことが困難な方を一定期間、試行雇用した事業者に、厚生労働省が支給します。

助成金の金額は、採用1人当たり月額4~5万円が支給されます。採用した方が母子家庭の母、または父子家庭の父の場合は、1人当たり月額5万円が支給されます。

「トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)は、採用のミスマッチを防いで助成金も受給できる一石二鳥の助成金」を詳しく見る

まとめ

2020年には東京リンピックが開催されるなど、今後は訪日外国人の増加が予想されます。宿泊業の人手不足は、深刻な課題となることは目に見えています。人手不足を解消するためにも、そして優秀な人材を確保するためにも、離職率を下げる取り組みを今こそ行うべきではないでしょうか。取り組む際には、働きやすい職場づくりを支援する助成金を有効活用しましょう。

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