助成金ノウハウ情報

パートやアルバイトの採用や待遇改善に活用できるおすすめの助成金【2020年最新版】

アルバイトやパートがいないことには、オペレーションが回らない業種にとって、採用力を高め、定着率を向上するために、待遇の改善や働きやすい職場づくりは欠かすことのできない取り組みです。今回は、アルバイトやパートの採用や雇用に活用できる、待遇改善や働きやすい職場づくりを支援する助成金を紹介します。

目次

アルバイトやパートの人手不足解消に活用できる助成金とは

アルバイトとパートは、呼び方は異なりますが、どちらも法律上はパートタイム労働者に区分されます。パートタイム労働者であっても、支給対象となる雇用関係の助成金は様々なものがあります。助成金を用意する厚生労働省では、アルバイトやパートの雇用管理のポイントとして、次の8つの指標を上げています。

  • 労働条件の明示・説明
  • 賃金
  • 教育訓練等の能力開発
  • 人事評価・キャリアアップ
  • 正社員転換推進措置
  • 福利厚生・安全衛生
  • ワーク・ライフ・バランス
  • 職場のコミュニケーション等

労働人口が減少し、アルバイトやパートを確保するために、採用コストは上がり続けています。せっかく採用にこぎつけても、短期間で離職されては元も子もありません。先ほど紹介した取り組みを行うことで、アルバイトやパートにとって魅力のある、安心して働くことができる職場になります。今回は、上記の取り組みに活用できる助成金を取り上げます。

賃金アップで定着率の向上に活用できるおすすめの助成金

アルバイトやパートの賃金を上げたり、正規雇用の労働者と同じ手当を支給することで、定着率の向上に活用できる、おすすめの助成金を紹介します。

パート・アルバイトの基本給アップで受給できる
キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)

キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)は、有期契約労働者等の基本給の賃金規定などを増額するように改定し、昇給した事業主に、厚生労働省が支給します。助成金の金額は、1事業所当たり最大360万円です。助成金の金額は、中小企業か中小企業以外かで異なります。また、対象になる労働者の人数によっても異なります。

「キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)は賃金アップで受給可能に。3つの増額方法を紹介」を詳しく見る

パート・アルバイトへの諸手当支給で受給できる
キャリアアップ助成金(諸手当制度共通化コース)

キャリアアップ助成金(諸手当制度共通化コース)は、有期契約労働者等に関して正規雇用労働者と共通の諸手当制度を新たに設け、適用した事業主に、厚生労働省が支給します。助成金の金額は、中小企業か中小企業以外かで異なります。中小企業の場合は1事業所当たり38万円、中小企業以外の場合は28万5000円となっています。

「キャリアアップ助成金(諸手当制度共通化コース)は最大112万円が受給できる」を詳しく見る

パート・アルバイトの職務に合わせた給料に変更で受給できる
キャリアアップ助成金(賃金規定等共通化コース)

キャリアアップ助成金(賃金規定等共通化コース)は、有期契約労働者等に関して正規雇用労働者と共通の職務などに応じた賃金規定などを新たに作成し、適用した事業主に、厚生労働省が支給します。助成金の金額は、中小企業か中小企業以外かで異なります。中小企業の場合は1事業所当たり57万円、中小企業以外の場合は42万7500円となっています。

「キャリアアップ助成金(賃金規定等共通化コース)は賃金テーブルの改善で受給」を詳しく見る

パート・アルバイトの労働時間延長で受給できる
キャリアアップ助成金(短時間労働者労働時間延長コース)

キャリアアップ助成金(短時間労働者労働時間延長コース)は、短時間労働者の週所定労働時間を延長し、新たに社会保険を適用した事業主に、厚生労働省が支給します。助成金の金額は、1事業所当たり最大312万円です。

助成金の金額は、中小企業か中小企業以外かで異なります。短時間労働者の週所定労働時間を5時間以上延長し新たに社会保険に適用した場合と、労働者の手取り収入が減少しないように週所定労働時間を延長し、新たに社会保険に適用させることに加えて、賃金規定等改定コースまたは選択的適用拡大導入時処遇改善コースを実施した場合とでも異なります。

「キャリアアップ助成金(短時間労働者労働時間延長コース)は労働時間延長で受給できる助成金」を詳しく見る

働き方改革に取り組む中小企業が受給できる助成金
人材確保等支援助成金(働き方改革支援コース)

2019年に新設された人材確保等支援助成金(働き方改革支援コース)は、働き方改革に取り組む上で、人材を確保することが必要な中小企業を支援する助成金です。この助成金は、働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース、勤務間インターバル導入コース、職場意識改善コース)の支給を受けた中小企業が受給できます。助成金は計画を達成したときと、目標を達成したときの2回受給することができ、助成金の金額は最大で75万円です。

アルバイトやパートの研修や訓練に活用できるおすすめの助成金

アルバイトやパートにも研修や訓練の機会を設けることで、モチベーションとスキルの向上を図れるのはもちろん、生産性の向上も期待できます。研修や訓練を実施することで受給できる、おすすめの助成金を紹介します。

有期雇用労働者の研修で受給できる助成金
人材開発支援助成金(特別育成訓練コース)

人材開発支援助成金(特別育成訓練コース)は、有期契約労働者などの人材育成にかかった経費や、賃金を支援する助成金です。助成金の対象となる訓練は、以下になります。

  • 一般職業訓練
  • 有期実習型訓練
  • 中小企業等担い手育成訓練

助成金の金額は、1事業所当たり最大110万円です。なお、助成金の金額は、Off-JTとOJTで異なります。Off-JTの場合はさらに賃金助成、経費助成で異なります。

「人材開発支援助成金(特別育成訓練コース)は有期雇用の労働者の研修で最大1000万円を受給できる」を詳しく見る

アルバイトの採用や雇用に活用できるおすすめの助成金

アルバイトやパートを正規雇用に転換することで、受給できる助成金があります。スキルや経験のあるアルバイトやパートを正社員にすることで、優秀な人材を確保でき、事業の成長にもつながります。

非正規雇用から正規雇用への切り替えで受給できる助成金
キャリアアップ助成金(正社員化コース)

キャリアアップ助成金(正社員化コース)は、正規雇用の促進を支援する助成金です。厚生労働省の助成金の中でも申請数が多い助成金のひとつで、アルバイトや契約社員に対する正社員登用の仕組みを整え、実際に正社員した際に支給されます。

具体的には、就業規則または労働協約などの制度を整え、無期雇用や正規雇用の労働者を増やした事業主に支給されます。

助成金の金額は、中小企業か中小企業以外かで異なります。また、有期雇用労働者を正規雇用した場合と無期雇用した場合、無期雇用労働者を正規雇用した場合によって異なり、最大で20人分、1440万円を受給することができます。

キャリアアップ助成金(正社員化コース)を受給できた事業者の中で、東京労働局の管内に事業所を置く中小企業であれば、さらに東京都正規雇用等転換安定化支援助成金の受給を上乗せとして申請することができます。

「キャリアアップ助成金(正社員化コース)の受給額は最大1440万円!受給要件や申請手順を紹介」を詳しく見る

正規雇用への切り替えで東京都から受給できる助成金
東京都正規雇用等転換安定化支援助成金

東京都正規雇用等転換安定化支援助成金は、パートや契約社員、派遣労働者といった非正規から正規雇用に転換した労働者が安心して働き続けられるよう、労働環境を整備する事業者を支援する助成金です。

この助成金は、キャリアアップ助成金(正社員化コース)を支給され、東京労働局の管内に事業所を置く中小企業に、東京都が支給します。

助成金の金額は、キャリアアップ助成金(正社員コース)の支給対象となった人数によって、支給額は増えます。支給額は対象となる労働者1人につき、20万円です。東京都下に事業所を持ち、キャリアアップ助成金の受給が決定したのなら、忘れずに申請しましょう。

「東京都正規雇用等転換安定化支援助成金の支給対象は500事業所まで」を詳しく見る

アルバイトやパートの福利厚生や安全衛生に活用できるおすすめの助成金

パートやアルバイトの福利厚生を充実させることで、他社との差別化につながり、採用力の向上が期待できます。社会保険の適用や、健康診断制度の導入など、福利厚生を充実させることで受給できるおすすめの助成金を紹介します。

社会保険を有期雇用労働者に適用して支給される
キャリアアップ助成金(選択的適用拡大導入時処遇改善コース)

キャリアアップ助成金(選択的適用拡大導入時処遇改善コース)は、労使合意に基づく社会保険の適用拡大の措置により、有期契約労働者等を新たに被保険者とし、基本給を増額した事業主に、厚生労働省が支給します。

助成金の金額は、1事業所当たり最大276万円です。助成金の金額は、中小企業か中小企業以外かで異なります。また、基本給の増額割合に応じても異なります。

「キャリアアップ助成金(選択的適用拡大導入時処遇改善コース)は社会保険の導入を助成」を詳しく見る

パート・アルバイトへの健康診断実施で受給できる
キャリアアップ助成金(健康診断制度コース)

キャリアアップ助成金(健康診断制度コース)は、有期契約労働者等を対象とする「法定外の健康診断制度」を新たに規定し、延べ4人以上実施した事業主に、厚生労働省が支給します。

助成金の金額は、中小企業か中小企業以外かで異なります。中小企業の場合は1事業所当たり38万円、中小企業以外の場合は28万5000円が支給されます。

「キャリアアップ助成金(健康診断制度コース)は、健康診断の実施で受給できる受給ハードルの低い助成金」を詳しく見る

ストレスチェックの実施で受給できる助成金
ストレスチェック助成金

ストレスチェック助成金は、医師と契約してストレスチェックを実施した小規模事業場に、労働者健康安全機構が支給します。助成金の金額は1人当たり500円、面接指導など1回当たり最大21,500円となっています。

「ストレスチェック助成金はストレスチェックの実施で1人当たり500円を支給」を詳しく見る

アルバイトやパートのワーク・ライフ・バランスを整えるために活用できる助成金

アルバイトやパートの離職率を少しでも下げるためには、出産や育児、介護など、家庭の事情による離職を防ぐことも効果があります。仕事と家庭を両立するために活用できる、おすすめの助成金を紹介します。

男性が育児休業を取りやすい環境づくりで受給できる助成金
両立支援等助成金(出生時両立支援コース)

両立支援等助成金(出生時両立支援コース)は、いわゆるイクメンの推進を支援する助成金で、男性労働者が育児休業を取得しやすい職場風土作りに取り組み、男性労働者にその養育する子の出生後8週間以内に開始する育児休業を利用させた事業主及び育児目的休暇を導入し男性労働者に利用させた事業主に、厚生労働省が支給します。

助成金の金額は1事業所当たり最大228万5000円です。なお、助成金の金額は、中小企業か中小企業以外かで異なります。また、育児目的休暇の導入・利用や、育休取得が1人目から2人目以降かでも異なります。

「両立支援等助成金(出生時両立支援コース)は、男性の育休取得の推進で助成金を支給」を詳しく見る

介護休業が取りやすい環境づくりで受給できる
両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)

両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)は、仕事と介護の両立を実現するための取り組みを支援する助成金です。この助成金は、介護休業をスムーズに取得できたり、職場に復帰できる取り組みを行う事業主に、厚生労働省が支給します。

助成金の金額は、1事業所当たり最大57万円です。なお、助成金の金額は、中小企業か中小企業以外かで異なります。また、介護休業か介護制度かによっても異なります。

「両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)は、貴重な労働者の離職を防ぐ取り組みで助成金を受給できる」を詳しく見る

育児休業後に職場復帰しやすい環境づくりで受給できる助成金
両立支援等助成金(育児休業等支援コース)

両立支援等助成金(育児休業等支援コース)は、働き続けながら子の養育を行う労働者の雇用の継続を図るため、育児休業の円滑な取得及び職場復帰に資する取り組みを行った中小企業事業主に、厚生労働省が支給します。

助成金の金額は、1人当たり最大47万5000円です。なお、助成金の金額は、育休取得時、職場復帰時、職場支援加算(職場復帰時に加算して支給)、代表要員確保時、有期契約労働者の場合の加算、職場復帰後支援によって異なります。

「両立支援等助成金(育児休業等支援コース)は職場復帰支援でも支給される助成金」を詳しく見る

まとめ

正規雇用はもとより、アルバイトやパートの採用もハードルが上がっています。平均賃金も上がり続けている今こそ、アルバイトやパートの採用や雇用、離職率の低減に取り組むことで受給できる、助成金を活用してはいかがでしょうか。

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