助成金ノウハウ情報

制度改善に活用できるおすすめの助成金【2020年最新版】

働きやすい環境を整えることで定着率はアップし、優秀な人材を採用しやすくなります。そのためには、有期雇用の労働者の待遇改善や残業時間の削減、仕事と育児や介護の両立など、社内の制度改善で働き方改革に活用できる助成金を紹介します。

目次

制度改善に活用できる6種類の助成金とは?

少子高齢化が進み、生産年齢人口の減少する中、育児や介護との両立など、多様な働き方を実現するため、政府は働き方改革に取り組んでいます。この取り組みを促進するため、生産性の向上や雇用の拡大、働きやすい環境づくりに取り組む事業主を支援する助成金を厚生労働省が支給しています。

助成金の中でも制度改善に活用できる助成金は、受給に取り組むことで、事業主に様々なメリットをもたらします。働きやすい環境が整うことで、離職率が低下したり、労働者の意欲が高まれば、生産性も向上します。また、働きやすい会社というイメージ作りにも貢献し、採用活動にもプラスの効果があります。

それでは、制度改善に活用できる助成金は、どのようなものがあるのでしょうか。今回は、6つの目的に分けて制度改善に活用できる助成金を紹介します。

1.キャリアアップ助成金は、有期雇用や無期雇用の労働者の待遇改善を支援

有期雇用の労働者や短時間労働者、派遣労働者など、いわゆる非正規雇用の労働者の待遇を改善したり、正規雇用に転換することで支給されるのが、キャリアアップ助成金です。キャリアアップ助成金には6つのコースがあり、制度改善に活用できる助成金は5つのコースがあります。

パート・アルバイトの基本給アップで受給できる
キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)

キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)は、非正規雇用と正規雇用の賃金格差をなくすことを目的とした助成金です。支給要件は、すべてまたは一部の有期雇用の労働者の賃金規定を2%以上増額改訂し、実際に昇給することです。

支給額は、増額対象の労働者がすべての労働者か、一部の労働者かによって異なります。また、事業主が中小企業か中小企業以外かによっても変わり、上限の100人までの賃金を増額改定した場合、最大285万円が支給されます。

キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)は、助成金の支給額が増える条件が多いのが特徴です。生産性を向上させる数値目標を達成した場合や、中小企業において賃金の3%以上増額改定した場合、職務評価を実施した場合には、加算要件を満たしたと認定され、助成金の支給額が増えます。中小企業で加算要件をすべて満たし、上限100人の賃金を増額した場合、最大564万円が支給されます。

「キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)は賃金アップで受給可能に。3つの増額方法を紹介」を詳しく見る

パート・アルバイトへの健康診断実施で受給できる
キャリアアップ助成金(健康診断制度コース)

キャリアアップ助成金(健康診断制度コース)は、有期雇用の労働者の福利厚生を充実することを目的とした助成金です。常時雇用する労働者への健康診断の実施は義務ですが、有期雇用の労働者に対する健康診断の実施は、事業主の義務ではありません。

有期雇用の労働者も正規雇用の労働者と同じように健康診断が受けられるように、キャリアアップ助成金(健康診断制度コース)では、有期雇用の労働者を対象とする法定外の健康診断制度を新たに規定し、延べ4人以上に実施することを支給の条件にしています。

有期雇用の労働者を対象とする、法定外の健康診断制度を就業規則や労働協約に規定し、4人以上に実施した場合、1事業所あたり最大48万円が支給されます。対象となる健康診断は、雇入時健康診断、定期健康診断、人間ドックの3種類があり、人間ドックは費用の半分、それ以外は費用の全額を事業主が負担します。

「キャリアアップ助成金(健康診断制度コース)は、健康診断の実施で受給できる受給ハードルの低い助成金」を詳しく見る

パート・アルバイトの職務に合わせた給料に変更で受給できる
キャリアアップ助成金(賃金規定等共通化コース)

キャリアアップ助成金(賃金規定等共通化コース)は、有期雇用の労働者に関して、正規雇用の労働者と共通の、職務などに応じた賃金規定を新たに作成し、適用することで支給される助成金です。支給される金額は、適用された人数が増えほど増額される仕組みです。

支給額は中小企業と、中小企業以外とで異なります。中小企業の場合、1事業所当たり57万円です。中小企業以外の場合、42万7500円です。賃金規定を共通化した労働者が増えると、1人につき中小企業は2万円、中小企業以外は1万5000円が追加で支給されます。なお、支給されるのは2人目以降で、受給できる人数は最大20人までです。

「キャリアアップ助成金(賃金規定等共通化コース)は賃金テーブルの改善で受給」を詳しく見る

パート・アルバイトへの諸手当支給で受給できる
キャリアアップ助成金(諸手当制度共通化コース)

キャリアアップ助成金(諸手当制度共通化コース)は、有期雇用の労働者に、正規雇用労働者と共通の諸手当制度を新たに設け、適用した場合に支給される助成金です。対象となる手当は賞与や役職手当、精皆勤手当、食事手当、家族手当、住宅手当など11種類に及びます。

中小企業か中小企業以外か、また生産性要件を満たしているか否かによって支給金額が変わります。諸手当制度を改定し、最初に支給した1人目が最大48万円、2人目以降は最大18,000円ずつ最大20人まで支給されます。また、諸手当の種類が2つ目以降、1種当たり最大19万2千円ずつ、最大10種類分まで支給されます。

「キャリアアップ助成金(諸手当制度共通化コース)は最大112万円が受給できる」を詳しく見る

基本給の増額で支給される
キャリアアップ助成金(選択的適用拡大導入時処遇改善コース)

キャリアアップ助成金(選択的適用拡大導入時処遇改善コース)は、労使合意により有期雇用の労働者を社会保険の被保険者にした上で、基本給を増額した場合に支給される助成金です。支給額は、基本給を増額した割合に応じて変わります。また、事業主が中小企業か中小企業以外か、生産性要件を満たすか否かによっても変わります。

基本給を増額した割合が14%以上であり、中小企業で生産性要件を満たした場合、1人当たり16万6000円、上限45人まで支給されるため、最大747万円が支給されます。なお、対象となる労働者が複数人いて、基本給の増額割合が異なる場合は、最も低い増額割合の区分の支給額が適用されます。

「キャリアアップ助成金(選択的適用拡大導入時処遇改善コース)は社会保険の導入を助成」を詳しく見る

パート・アルバイトの労働時間延長で受給できる助成金
キャリアアップ助成金(短時間労働者労働時間延長コース)

キャリアアップ助成金(短時間労働者労働時間延長コース)は、有期雇用の労働者について、週所定労働時間を5時間以上延長した場合支給されます。延長時間が5時間未満であった場合は、労働者の手取り収入が減少しないように、1時間以上5時間未満延長し、新たに社会保険に適用させることに加えて、賃金規定等改定コースまたは選択的適用拡大導入時処遇改善コースを実施した場合に支給されます。

支給額は、労働時間を延長した時間によって変わります。また、また中小企業か中小企業以外か、生産性要件を満たしたか否かによっても変わります。労働時間を5時間以上延長した中小企業で、生産性要件を満たした場合、労働者1人当たり28万4000円、上限45人までを延長させた場合、最大で1278万円が支給されます。

「キャリアアップ助成金(短時間労働者労働時間延長コース)は労働時間延長で受給できる助成金」を詳しく見る

2.人材確保等支援助成金は、離職率を下げる取り組みを支援

人手不足を解消するためには、採用を強化する一方で、働いている方の定着率を上げることも重要です。人材確保等支援助成金は、離職率の低下に取り組む事業主に支給される助成金です。

離職率を下げる取り組みで受給できる助成金
人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)

人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)は新たに雇用管理制度を導入・実施し、離職率の低下が図られた場合支給されます。雇用管理制度は、評価・処遇制度、研修制度、健康づくり制度、メンター制度、短時間正社員制度(保育事業者のみ)と幅広い制度が対象で、どれか一つでも導入・実施すれば要件に当てはまります。

支給金額はいくつ制度を導入しても変わらず、1事業所当たり57万円で、生産性要件を満たした場合72万円が助成されます。

「人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)は5つの制度から取り組みを選べる」を詳しく見る

人事評価と賃金制度の整備で受給できる助成金
人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)

人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)は人事評価制度と、2%以上の賃金アップを含む賃金制度を整備し実施した場合に支給されます。ただし、人事評価制度は生産性向上のための能力評価を含むものでなくてはならず、年齢や勤続年数のみで評価が決定されるものは対象から外れます。

制度を整備し賃金を増額した段階で、制度整備助成として50万円が支給されます。また3年以上人事制度を引き続き実施し、生産性要件や離職率の低下目標を達成し、賃金を2%以上増加させている場合、目標達成助成として追加で80万円が支給されます。

「人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)は人事評価の整備で最大130万円支給」を詳しく見る

働き方改革に取り組む中小企業が受給できる助成金
人材確保等支援助成金(働き方改革支援コース)

2019年に新設された人材確保等支援助成金(働き方改革支援コース)は、働き方改革に取り組む上で、人材を確保することが必要な中小企業を支援する助成金です。この助成金は、働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース、勤務間インターバル導入コース、職場意識改善特例コース)の支給を受けた中小企業が受給できます。

助成金は計画を達成したときと、目標を達成したときの2回受給することができ、助成金の金額は最大で75万円です。

その他の人材確保等支援助成金

人材確保等支援助成金には、雇用管理制度助成コースと人事評価改善コース以外にも制度改正に使えるコースがあります。

  • 人材確保等支援助成金(介護福祉機器助成コース)
  • 人材確保等支援助成金(介護・保育労働者雇用管理制度助成コース)
  • 人材確保等支援助成金(人材確保等支援助成金中小企業団体助成コース)
  • 人材確保等支援助成金(若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース建設分野)

働きやすく、魅力のある職場づくりにぜひ活用でしてください。

3.両立支援等助成金は、仕事と育児や介護の両立を支援

両立支援等助成金は、職場生活と家庭生活の両立のために支給される助成金です。また、女性の活躍推進のためにも支給されます。出産や育児、介護のための休業制度や支援制度を改善することで、仕事と家庭の両立や、職場へ復帰しやすい環境が整います。

男性が育児休業を取りやすい環境づくりで受給できる助成金
両立支援等助成金(出生時両立支援コース)

両立支援等助成金(出生時両立支援コース)は男性労働者限定の助成金で、男性が育児休業や育児目的休暇を取得しやすい職場づくりに取り組み、その取組によって男性に育児休業や育児目的休暇を取得させた場合、支給されます。

助成金額は育休の取得者が何人目か、また中小企業か中小企業以外か、生産性要件を満たすか否かによって変わります。支給金額は最大の場合、中小企業で生産性要件を満たした場合、1人目の育休取得で72万円、2人目以降で1カ月以上取得した場合42万円が1年度あたり上限10人(初年度は9人)まで支給されます。

「両立支援等助成金(出生時両立支援コース)は、男性の育休取得の推進で助成金を支給」を詳しく見る

介護休業が取りやすい環境づくりで受給できる
両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)

両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)は仕事と介護の両立を助成する助成金です。まず介護休業や介護両立支援制度を就業規則や労働協約に明文化し、労働者へ周知します。その後、介護に直面した労働者と面談を行い、介護支援プランを作成し、プランに基づいて休業や支援の業務体制を整え、休業や制度を利用した場合、助成金が支給されます。

支給金額は、生産性要件を満たしたか否かによって変わります。生産性要件を満たした場合、介護休業では休業取得時に36万円、復帰時に36万円が支給され、介護両立支援制度を利用した場合は36万円が支給されます。対象者の上限人数は介護休業、介護両立支援制度ともに1事業主1年度5人までとなっています。

「両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)は、貴重な労働者の離職を防ぐ取り組みで助成金を受給できる」を詳しく見る

育児休業後に職場復帰しやすい環境づくりで受給できる助成金
両立支援等助成金(育児休業等支援コース)

両立支援等助成金(育児休業等支援コース)は男女ともに使える助成金で、育休の取得や育休中の業務の代替、復帰時や復帰後の支援制度それぞれに助成を行う助成金です。

支給金額は利用した休業や制度によって変わり、生産性要件を満たしたか否かでも変わります。たとえば、生産性要件を満たしている場合、育休取得時に36万円、職場復帰時に36万円が支給されます。

他にも職場復帰後の休暇制度や、休業中の業務の代替に人員を雇用した場合など、育児休業にかかわる制度を育児休業等支援コースでは広く助成しています。

「両立支援等助成金(育児休業等支援コース)は職場復帰支援でも支給される助成金」を詳しく見る

再就職の希望者を採用することで受給できる助成金
両立支援等助成金(再雇用者評価処遇コース)

両立支援等助成金(再雇用者評価処遇コース)は、カムバック助成金とも呼ばれ、妊娠、出産、育児または介護を理由として退職した労働者の再就職を支援します。一度退職した労働者が就業が可能になったときに復職でき、適切に評価され、配置・処遇される再雇用制度を導入し、実際に採用した事業主に支給されます。

家庭の事情で仕事を離れざるを得なかった方は、職務に関する知識があるため即戦力として働ける可能性が高く、人手不足の解消につながります。

支給金額は中小企業か中小企業以外か、生産性要件を満たしたか否か、また再雇用人数によって変わります。中小企業で生産性要件を満たした場合、1人目は48万円、2人目から5人目まではそれぞれ36万円が支給されます。

「両立支援等助成金(再雇用者評価処遇コース)で助成金と即戦力、働きやすい環境を獲得」を詳しく見る

女性が活躍できる職場づくりで受給できる助成金
両立支援等助成金(女性活躍加速化コース)

両立支援等助成金(女性活躍加速化コース)は女性活躍推進法に基づき女性が活躍できる職場づくりに取り組む企業を支援する助成金です。女性の活躍に関する数値目標、数値目標の達成に向けた取組目標を盛り込んだ行動計画を策定し、それぞれの目標を達成した事業主に支給されます。

支給金額はそれぞれの目標によって変わり、また生産性要件を満たしたか否かによって変わります。生産性要件を満たした場合、最大60万円が支給されます。

「両立支援等助成金(女性活躍加速化コース)は女性が活躍できる環境づくりで最大60万円が支給される助成金」を詳しく見る

4.働き方改革推進支援助成金は長時間労働の改善を支援

働き方改革推進支援助成金は、長時間労働を見直すために、改善に取り組む事業主を支援する助成金です。研修を実施したり、機器を導入して生産性を向上し、労働時間の削減や休憩時間の確保といった成果目標が達成できた場合に助成金が支給されます。

労働時間の削減で受給できる助成金
働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)

働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)は、長時間労働を改善するための、労働時間の削減に取り組む事業主を支援する助成金です。

対象となる取り組みは多岐にわたり、労務管理担当者や労働者に対する研修、外部専門家によるコンサルティング、就業規則や労働協約の作成・変更、ソフトウェアやテレワーク用機器の購入・更新など、生産性の向上によって労働時間の削減につながる取り組みが挙げられます。成果目標の達成状況によって、最大200万円まで支給されます。

「働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)は労働環境の改善と採用のアピールにもつながる助成金」を詳しく見る

休息時間の確保で受給できる助成金
働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)

働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)は、労働者の生活時間や睡眠時間を確保し、健康保持や過重労働を防止するための助成金です。勤務終了後、次の勤務までに一定時間以上の休息時間を設ける勤務間インターバル制度を導入する事業主に支給されます。

働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)は、勤務間インターバルを導入し、さらに労働時間削減のための取り組みを行った場合、取り組みにかかった経費のうち最大100万円まで支給されます。

経費として認められる労働時間削減のための取り組みは、上記の労働時間短縮・年休促進支援コースと同じく、研修やコンサル、就業規則の変更、ソフトウェアや機器の導入まで幅広く対象となっています。

「時働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバール導入コース)は、休息時間の確保で支給される助成金」を詳しく見る

コロナ対策の特別休暇の取得促進で受給できる助成金
働き方改革推進支援助成金(職場意識改善特例コース)

働き方改革推進支援助成金(職場意識改善特例コース)は、もともとは、改正労働基準法の対応に取り組む事業主を支援するものでした。しかし、新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する中、特例コースとして名称を変更し、特別休暇制度を新たに整備の上、特別休暇の取得促進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業を支援する助成金になりました。

働き方改革推進支援助成金(職場意識改善特例コース)の支給額は、特別休暇を就業規則に規定することに向けて、支給対象となる取り組みにかかった費用の4分の3です。なお、助成金の上限は50万円です。

「働き方改革推進支援助成金(職場意識改善特例コース)はコロナ対策の経費を最大50万円助成」を詳しく見る

時間外労働の削減や賃金の引き上げで受給できる助成金
働き方改革推進支援助成金(団体推進コース)

働き方改革推進支援助成金(団体推進コース)は、支給の対象が事業主単体ではなく、事業主団体の助成金です。団体傘下の事業主が労働環境を改善するため、時間外労働の削減や賃金の引上を実施した場合に支給されます。

支給対象となる取り組みは、市場調査の事業や、新ビジネスモデルの開発、セミナーの開催や好事例の収集などです。支給額は、取り組みにかかった経費のうち最大500万円までで、都道府県をまたいだ事業主団体の場合は最大1000万円まで支給されます。

「働き方改革推進支援助成金(団体推進コース)は、労働条件の改善に事業主団が取り組むことで支給される助成金」を詳しく見る

職場以外で働ける環境づくりの取り組みで受給できる助成金
働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)

働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)は、テレワークを新規に導入したり、継続したりした事業主に支給される助成金です。

テレワークは、在宅勤務とサテライトオフィス勤務が対象で、育児や介護の両立や、通勤負担の軽減など、労働者にメリットの多い制度です。また、企業にとっても居住地にとらわれず、優秀な人材を確保することができるメリットがあります。

2020年にオリンピックが開催される際には、通勤が困難になるほどの混雑が予想されるため、政府もテレワークの導入を後押ししています。

この働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)の支給額は、成果目標の達成度合いによって変わります。成果目標を達成した場合、テレワーク導入にかかった経費の4分の3のうち、最大300万円まで支給されます。

「働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)はテレワークの経費を最大300万円まで支給」を詳しく見る

5.メンタルヘルスの取り組みを支援する助成金

働きやすい職場環境をつくるためには、労働者のストレスを軽減する取り組みも欠かせません。ストレスチェックの実施や職場環境の改善、心の健康づくりを支援する事業主に支給される助成金を紹介します。

ストレスチェックの実施で受給できる助成金
ストレスチェック助成金

ストレスチェック助成金は、医師と契約してストレスチェックを実施した小規模事業場に、労働者健康安全機構が支給します。ストレスチェックとは、労働安全衛生法で定められた制度で、労働者の心理的な負担の程度を把握するための検査のことです。

ストレスチェック助成金は、労働者が50人未満の事業場でストレスチェックを行った場合、従業員1人当たり500円を上限として実費額が支給されます。

また、ストレスチェック後に面接指導などの医師による活動を受けた場合、3回を限度として1回あたり2万1500円が支給されます。

「ストレスチェック助成金はストレスチェックの実施で1人当たり500円を支給」を詳しく見る

職場の環境を改善する計画の作成、実施で受給できる助成金
職場環境改善計画助成金

職場環境改善計画助成金は、ストレスチェックを実施した後に、専門家の指導やアドバイスを受け、職場環境改善計画を計画・実施した事業主に支給される助成金です。

職場環境改善計画助成金は、AコースとBコースの2種類あります。Aコースは、専門家による指導に基づき職場環境改善計画を作成し、計画に基づき職場環境の改善を実施した場合に負担した指導費用や機器・設備購入費用の助成を受けることができる制度です。

Bコースは、事業主が、ストレスチェック実施後の集団分析結果を踏まえて、各都道府県産業保健総合支援センターのメンタルヘルス対策促進員の助言・支援に基づき、職場環境改善計画を作成し、計画に基づき職場環境の改善を実施した場合に負担した機器・設備購入費用の助成を受けることができる制度です。

Aコースの支給額は、1事業場当たり10万円です。ただし、機器・設備購入費は5万円(税込)を上限とし、かつ単価5万円以内(税込)のものになります。

また、Bコースの支給額は、支給額の上限は、1事業場当たり5万円です。機器・設備購入費は5万円(税込)を上限とし、かつ単価5万円以内(税込)のものになります。

心健やかに保つ計画の作成、実施で受給できる助成金
心の健康づくり計画助成金

心の健康づくり計画助成金は、メンタルヘルス対策促進員による助言・支援を受け、心の健康づくり計画を作成し、計画に基づきメンタルヘルス対策を実施した事業主に、1企業か1個人事業主当たり10万円を将来にわたり1回限り助成します。

メンタルヘルス対策促進員とは、中小規模事業場のメンタルヘルス対策を普及促進するため、産業保健総合支援センターが委嘱したメンタルヘルス対策に関する訪問支援を専門的に行う専門家をさします。

また、メンタルヘルス対策とは、心の健康づくり計画に記載されているメンタルヘルスケアを行うための対策のことをいい、組織作りやストレス要因のリストアップや対策を行います。

「心の健康づくり計画助成金は、メンタルヘルス対策で支給される助成金」を詳しく見る

6.65歳超雇用推進助成金は、高齢者の採用や雇用を支援

少子高齢化が進む日本において、労働者を確保するためには、働く意欲を持っている高齢者の採用や雇用に取り組むことが重要になっています。定年の引き上げや、高年齢者の雇用管理制度の整備に取り組む事業主に支給される助成金を紹介します。

定年の引き上げなどで受給できる助成金
65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用促進コース)

65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用促進コース)は、65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用促進コース)は、定年の廃止、65歳以上に定年を引き上げ、もしくは希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度の導入のいずれかを導入した事業主に支給される助成金です。

支給額は60歳以上被保険者数、および、定年の年齢の引き上げ幅により変わります。このうち、最も支給額が高い取り組みは定年を廃止した場合で、60歳以上被保険者数が10人以上いた場合に160万円が支給されます。

高年齢者の雇用管理の制度化で受給できる助成金
65歳超雇用推進助成金(高年齢者雇用環境整備支援コース)

65歳超雇用推進助成金(高年齢者雇用環境整備支援コース)は、高年齢者向けの雇用管理制度を整備する事業主に支給される助成金です。

高年齢者の雇用管理制度を整備する取り組みは、法定外の健康管理制度の導入や、高年齢者の希望に応じた短時間勤務制度や隔日勤務制度などの導入または改善、職業能力を評価する仕組みや、人事処遇制度の導入または改善など、高年齢者が働きやすい環境を整えるためのものです。

支給の対象となる取り組みは、雇用管理制度を整備するために必要な専門家への委託費や、コンサルタントの相談などにかかった経費で、助成率は中小企業か中小企業以外かで異なります。

また、また生産性要件を満たしたか否かによっても変わります。中小企業であって、生産性要件を満たした場合は、経費の75%が支給されます。

高年齢者の無期雇用で受給できる助成金
65歳超雇用推進助成金(高年齢者無期雇用転換コース)

65歳超雇用推進助成金(高年齢者無期雇用転換コース)は、高年齢者の無期雇用を増やす取り組みを支援する助成金です。この助成金は、50歳以上かつ定年年齢未満の有期契約労働者を無期雇用にした事業主に、厚生労働省が支給します。

助成金の金額は、中小企業か中小企業以外かで異なります。中小企業の場合は、1人当たり48万円、中小企業以外の場合は1人当たり38万円が支給されます。

制度改善に活用できるこのほかの助成金

6つのカテゴリ別に助成金を紹介しましたが、このほかにも、次のような退職金や産業医制度、障害者の通勤など、労働環境の整備に活用できる助成金は様々なものがあります。事業主が抱える課題に合わせて、活用を検討してください。

  • 業務改善助成金
  • 小規模事業場産業医活動助成金(産業医コース)
  • 小規模事業場産業医活動助成金(保健師コース)
  • 小規模事業場産業医活動助成金(直接健康相談環境整備コース)
  • 治療と仕事の両立支援助成金(制度活用コース)
  • 治療と仕事の両立支援助成金 (環境整備コース)
  • 重度障害者等多数雇用事業所施設設置等助成金
  • 重度障害者等通勤対策助成金
  • 中小企業退職金共済制度に係る新規加入等掛金助成(一般の中小企業退職金共済制度に係る掛金助成)
  • 中小企業退職金共済制度に係る新規加入等掛金助成(建設業退職金共済制度に係る掛金助成)
  • 中小企業退職金共済制度に係る新規加入等掛金助成(清酒製造業退職金共済制度に係る掛金助成)
  • 中小企業退職金共済制度に係る新規加入等掛金助成(林業退職金共済制度に係る掛金助成)

まとめ

制度改善に活用できる助成金の受給に取り組むことで、労働環境が改善され、労働者の定着率がアップします。また、働きやすい環境が整っている企業は、採用でも優位に立つことができます。

働き方改革は待ったなしの取り組みです。このタイミングで、制度改善を実施し、助成金の受給に取り組んではいかがでしょうか。

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